JR阪和線/雨は平等に降り注ぐもの

鉄道アルバム・列車のある風景
ヘッドライトが雨による乱反射で広がり幻想的な雰囲気に=大阪府貝塚市(和泉橋本-東貝塚)

 雨の日、鉄道写真の撮影はかなりの困難に直面する。街中の駅なら屋根もあるが、そこから満足のいくアングルなど少なく、結局プラットフォームで濡れる。ましてや屋外では雨中に立ち尽くすことになる。

 そこでカメラに手作りのカッパを着せた上からタオルで巻いて、さらにビニール製のゴミ袋をかぶせて手に持ち、列車の通過を待つ。ところが列車が巻き上げるしぶきは避けがたく、レンズが濡れる。機材だけではない。1時間も雨に打たれ続けていると、着ているカッパにも水がしみてきて体も濡れる。従って着替えやタオルは必需品で、荷物も多くなるばかり。

 それでもなんとか雰囲気を出せないかと、カッパを着せたカメラを列車の接近に合わせて袋からさっと取り出して撮影する。この日本に住んでいれば晴れの日ばかりではないから、雨の日の鉄道の様子も伝えたい。そう思っている。

 大空の雨はわきてもそゝかねどうるふ草木はおのが品々(千載和歌集巻題十九釈教歌)

 僧・源信の読んだ仏教歌である。雨も仏の教えも皆に平等に注がれるけれど、受ける者によってそのありがたさはそれぞれ、という至極もっともな内容だ。

 雨をはじき、しぶきを上げて走ってくる列車も、その色やスピードによって見え方は様々。その列車たちがそれぞれどう写るか、これもまた列車と腕次第ということで、雨はあくまで平等に降り続くのであった。(藤浦淳)