漢字刻んだ最古級の土器片、長崎・壱岐の遺跡で出土 弥生後期、「周」の文字…中国で生産か

 
長崎県壱岐市のカラカミ遺跡で見つかった、漢字の「周」の左半分(右端)が刻まれた土器片(市教委提供)

 長崎県壱岐市のカラカミ遺跡で、漢字の「周」の左半分が刻まれた弥生時代後期(1~3世紀ごろ)の土器片が見つかり、市教育委員会が発表した。漢字が記された史料は福岡市の志賀島で出土した「漢委奴国王」の金印(57年)などが知られるが、土器としては国内最古級。市教委は「弥生時代の人々が文字を理解していたかどうかの謎をひもとく上で、一つの手掛かりになる」としている。

 土器片は縦7・5センチ、横8・8センチ。鉢の一部で、焼き上がった後に鋭利な道具を使って線刻していた。形状から中国・遼東半島で作られたとみられる。壱岐は、中国の歴史書「魏志倭人伝」が記す「一支国」と推定され、大陸や朝鮮半島との交流を通じて持ち込まれたようだ。

 カラカミ遺跡は弥生時代の拠点集落跡で、今回の土器片は、多くの土器が捨てられた場所から見つかった。

 文字が残る同時期の土器としては、倭人伝に登場する「伊都国」とされる福岡県糸島市の「三雲・井原遺跡」で出土した「竟」とみられる文字が残る土器片(2~3世紀ごろ)がある。

 土器片は壱岐市立一支国博物館(同市芦辺町深江鶴亀触)で13日から2月25日まで特別公開される。