神鋼グループ会社、JISの再認証申請 データ改竄発覚の端緒、昨年6月に取り消し

 

 神戸製鋼所をめぐる一連のデータ改竄(かいざん)問題で、不正が発覚する発端となったグループ会社「神鋼鋼線ステンレス」(大阪府泉佐野市)が日本工業規格(JIS)の再認証を受けるための申請を行ったことが18日、分かった。同社は、ばねの材料の試験データを改竄していたとして昨年6月にJISマークの認証を取り消されていた。神鋼では同社を含む5つの拠点でJISの認証取り消しや一時停止の措置が取られているが、再認証の手続きに入ったのは初めて。

 神鋼鋼線ステンレスは、JIS認証の取り消し以降、約1年半かけて再発防止策を講じてきた。神鋼は同社の再認証によって信頼回復につなげる狙い。

 神鋼鋼線ステンレスは平成19年4月から28年5月にかけて、家電や日用品など幅広い製品のばねに使われるステンレス鋼線の強度の試験データについてJISを満たすよう改竄していたことが28年6月に発覚。JISマークの登録認証機関「日本検査キューエイ」(東京)は同年6月10日付で認証を取り消していた。同社の規定では再認証の申請は取り消しから1年間はできない。神鋼鋼線ステンレスはその間、不正の再発防止策などを講じてきた。

 データ改竄の手口は、検査機器が示す値が取引先が求める規格を満たしていない場合、品質管理室長の指示で部下に手作業で数値を書き換えさせていた。こうした不正を踏まえ、再発防止策では、人為的にデータの改竄ができないようにデータ入力を自動で行えるシステムを導入し、全社員に対して法令順守(コンプライアンス)教育を実施していた。今年の秋頃からJISの再認証の申請の作業を本格化した。

 神鋼グループ会社幹部は、JISの認証を取り消されて以降、製品の購入を断られるケースもあったとし、「再認証されれば、信頼回復に向けた前進となる」と述べた。

 神鋼では真岡製造所(栃木県真岡市)、長府製造所(山口県下関市)で計4つの製品でJIS認証が一時停止。グループでは神鋼鋼線ステンレスのほか、コベルコマテリアル銅管秦野工場(神奈川県秦野市)、神鋼メタルプロダクツ(北九州市)で計3つのJIS認証が取り消されている。