まるで英雄気取り、イルカショー妨害の外国人男女…犯行予告にビデオ撮影、逮捕後も反省なし

衝撃事件の核心
イルカショーのプールに飛び込んだ外国人の関係先の団体のフェイスブック。犯行当日には犯行予告が記されていた(一部画像処理しています)

 親子連れやカップルが楽しみにしていた日曜のイルカショーは、無粋な乱入者によって台無しにされた。イルカやオキゴンドウなど海の動物にふれ合えることで知られる和歌山県の人気レジャー施設「アドベンチャーワールド」で10月、イルカショーが行われていたプールにオランダ人とベルギー人の男女2人が飛び込み、イルカ漁に抗議するプラカードを水中で高々と掲げてショーを妨害した。仲間の男がその様子をビデオカメラで撮影。さらに関係先とみられる動物愛護団体は直前、インターネット上で「本日、水族館で抗議活動を開始する」と大胆にも犯行予告を行っていた。3人は威力業務妨害容疑で県警に逮捕されたが、反省の様子はなく、まるで英雄気取りだった。

突然の乱入

 来年、開園から40周年を迎えるアドベンチャーワールドは、「陸・海・空」のさまざまな動物たちや自然とのふれ合いができる県内でも屈指の観光地だ。昨年には、ジャイアントパンダの「結浜(ユイヒン)」が誕生。パンダの飼育数では日本一を誇る。

 パンダと同様、見物客が後を絶たないのがイルカだ。園内の「ビッグオーシャン」と呼ばれる施設では、イルカたちがライブ形式のアトラクションを繰り広げるショーがほぼ毎日行われ、人気を集めている。

 妨害行為があったのは10月22日午後3時ごろ。ビッグオーシャンではこの日最後のショーが始まり、イルカもプールを泳ぎ始めていた。そこへ観客席にいた外国人の男女2人がいきなり服を脱いでウエットスーツ姿になり、プールに飛び込むと「太地でイルカを殺すのを止める」「イルカは海に属しています」などと、同県太地町で営まれているイルカ漁を批判する内容の2枚のプラカードを高々と掲げたのだ。

イルカ漁に反発

 県警などによると、男は32歳のオランダ人、女は23歳のベルギー人で、男は海外の動物愛護団体の関係者。この団体は動物性のものを食べたり、身につけたりしない「ビーガン」(完全菜食主義)をうたっているとされる。

 男は10月に入国して太地町の追い込み漁を撮影するなどした後、いったん県外に出たが、犯行直前、女と仲間の22歳のベルギー人の男を連れて戻ってきたという。

 この団体のものとみられるフェイスブックには、同日午前に英文で「私たちはとらわれの身となっているイルカたちの大きな苦しみを知ってもらおうと、懸命に働いている」などのメッセージとともに、「本日午後3時、私たちの活動家が日本最大規模のイルカの水族館で抗議活動を開始する」と犯行予告も添えられていた。

 県警もこうした動きを事前に察知し園内で警戒しており、プールに入った2人については駆けつけた捜査員が威力業務妨害容疑で現行犯逮捕。さらに、観客席でその様子をビデオカメラで撮影していたベルギー人の男も任意同行し、23日に同容疑で逮捕した。

 和歌山区検は11月10日、同罪でプールに入った男女2人を略式起訴し、和歌山簡裁がそれぞれに罰金50万円の略式命令を出した。ビデオ撮影していた男は起訴猶予となった。オランダ人の男らは「エンターテインメントのためにイルカが利用されていることに抗議したかった」などと話していたという。

繰り返されるトラブル

 古くからイルカや小型鯨類の追い込み漁が営まれてきた県南部では過去にも、捕鯨に反発する外国人とのトラブルや摩擦が繰り返されてきた。

 平成26年には、太地町の「町立くじらの博物館」から入館を拒否されたとして、捕鯨反対を訴えるイルカ保護団体のオーストラリア人女性らが町に慰謝料を求めて提訴。和歌山地裁は28年、女性らが4日前に館内を無断撮影したことなどを挙げ、「入館拒否は博物館の管理の支障を考慮したものだった」と指摘したものの、入館拒否で捕鯨について学ぼうとする行為を不当に制約したと認定し、町に慰謝料など11万円の支払いを命じている。

 同館や町役場のHPは、外部から大量のデータが送りつけられ、サーバーがダウンする被害を受けたこともある。サイバー攻撃は、イルカ漁を批判してきた国際ハッカー集団による犯行とも指摘されている。

 今回の事件でも、逮捕されたオランダ人らに反省の様子はない。団体のフェイスブックは略式命令後に早速更新され、「自由の身になったことを報告でき、大変うれしく思う。支援してくださった皆さん、ありがとう」などと書き込まれた。

 県警の捜査幹部はこう打ち明ける。「今回のような実力行使の過激な行動は、県民の安全を揺るがし、許されない。今後も警戒を強めたい」

 反捕鯨団体シー・シェパード(SS)のメンバーなど太地町で違法行為や嫌がらせを繰り返す活動家については、入管当局が空港などで入国拒否の措置を取るなど、近年は水際での対策が強化されている。しかし団体などによっては入国を完全に防ぐことは難しく、今回のようなトラブルが今後も起きる可能性があり、地元では警戒が続いている。

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