被災の陶工支援 福岡・東峰村の伝統工芸「小石原焼」の共同窯が完成

九州豪雨
完成した小石原焼の共同窯に器を入れる地元の窯元=1日、福岡県東峰村

 九州北部の豪雨で被害が出た福岡県東峰村で1日、被災した伝統工芸品「小石原焼」の窯元が共同で利用する窯が完成し、火入れ式が行われた。自前の窯を復旧させる見通しの立たない陶工が早く活動を再開できるよう、災害発生から5日で3カ月となるのを前に、県と村がつくった。

 小石原焼伝統産業会館に設けた窯の前で、村長や窯元関係者など計15人が、宮司のおはらいを受けた。その後「原彦窯元」の梶原大祐さん(37)がガスバーナーで火を付け、自作の茶碗(ちゃわん)やどんぶりなどを窯の中に入れた。村で7~9日に開く「民陶むら祭」で販売する品々を焼いた。

 梶原さんは窯を2つ持つが、大量の土砂が流れ込んで復旧が困難という。「廃業を考え、絶望していた。これでまた、焼くことができる」と笑顔だった。

 小石原焼陶器協同組合の柳瀬真一理事長(62)は「共同窯を村の復興につなげたい」としており、観光客向けの陶芸体験にも活用する。

 約350年の歴史がある小石原焼は、ろくろを回しながら粘土に工具の刃先などを当てて、独特の模様を付ける。県によると、村内の窯元47軒のうち22軒が被災した。