南阿蘇村の病院、道路開通受け全面再開

熊本地震
外来診察が全面再開した熊本県南阿蘇村の阿蘇立野病院=28日午後

 熊本県南阿蘇村で唯一の救急指定病院で、昨年4月の熊本地震で被災した阿蘇立野病院の外来診察が28日、全面再開した。被災した阿蘇長陽大橋の復旧工事が進み、病院のある立野地区と村中心部とを結ぶ村道が開通したため。救急患者の受け入れが可能となり、「地域の復興に向け大きな一歩だ」と地元住民から喜びの声が上がった。

 病院は2度目の震度7を観測した揺れで3病棟が全て損壊するなどして閉鎖。立野地区は国道57号も寸断し、村中心部からの孤立状態が続いた。

 病院は今年4月、被害が少なかった1棟の修復が進んだとして水曜午後のみ、診察を一部再開。別の地区で昨年6月から運営していた診療所は今月25日に閉鎖した。

 上村晋一院長(52)は「感慨深い。地域のともしびとして復興を先導していけたら」と話し、今後は人工透析や入院患者受け入れの再開を目指す意向を示した。

 血圧の治療で地震前から通院していた自営業工藤敏博さん(56)は「なじみの病院が復活して安心した」と顔をほころばせた。