530人、今も避難 台風接近のなか、避難所で黙とうも

九州北部豪雨1カ月
九州北部の豪雨から1カ月、犠牲になった坂本行俊さん、純子さん夫妻と母ヨリ子さんの自宅跡で、花を手向け黙とうする地区の住民=5日午前、福岡県朝倉市

 福岡、大分両県で36人が死亡するなど甚大な被害が生じた九州北部の豪雨は5日、発生から1カ月となった。自宅を失うなどした約530人が今も避難を続け、生活再建への不安を抱えたままだ。自治体は復旧作業を進めるとともに被災者支援に全力を挙げる。被災地では住民らが犠牲者を悼み、黙とうをささげた。

 7月には秋田県などでも記録的な大雨による浸水被害が発生。台風5号の接近に伴い、大量の土砂や流木が残る九州の被災地では二次災害への警戒が強まっている。

 福岡県の朝倉市役所では午前10時からの災害対策本部会議で森田俊介市長や市職員らが黙とうした。森田市長は「住民が安心して生活できる地域にしたい」と述べた。市内では依然5人が行方不明となっており、警察や消防が捜索を続けた。

 被災地では遺族や友人が亡くなった人たちをしのんだ。浦塚茂弘さん(70)を失った妻フミ子さん(67)は5日朝、大規模半壊と認定された朝倉市宮野地区の自宅を訪れ、花を手向けた。「1カ月はあっという間だった。豪雨で何もかも流されたけど、少しずつ前に進みたい。お父さんが守ってくれた家にこれからも住めたら…」と涙を拭った。

 避難所で黙とうした田中イオ子さん(71)は友人の桜木トシ子さん(86)を思い「祭りに一緒に行ったり、柿をお裾分けしたりした。思い出すと涙が止まらない」と目を赤くした。

 同県東峰村や大分県日田市でも正午から役場などで犠牲者を追悼。

 避難者数は朝倉市485人、東峰村22人、日田市25人となっている。住宅の全半壊は朝倉市602棟、東峰村60棟、日田市103棟に上り、自治体側は仮設住宅や、民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」を提供する。

 仮設住宅は朝倉市が80戸を計画し、これまで約70世帯から申し込みがあった。うち40戸は今月19日ごろに入居できる見込み。東峰村も19戸を建設中だ。