被害29河川、水位計が未設置 福岡、大分両県

九州豪雨
福岡県朝倉市の小石原川に架かる橋に設置されている水位計

 九州北部の豪雨で、浸水被害などが確認された福岡県朝倉市と東峰村、大分県日田市を流れる県管理の河川のうち、約9割の29河川で水位計が設置されていないことが分かった。水位計は自治体が住民の避難を判断する材料の一つとなるが、設置費用は1台数千万円かかり、整備が進んでいない現状がある。両県は今回の被害を受けて新たに設置を検討しており、国にも支援を求める。

 両県によると、今回の豪雨で、朝倉市と東峰村ではこれまでに18河川で堤防決壊や浸水被害などが確認され、うち16河川で水位計がなかった。日田市では14河川のうち13河川が未設置だった。

 災害時の住民避難について、自治体は気象庁の警報や雨量、定点カメラの映像などを総合的に分析して判断している。

 水位計に関して、日田市の担当者は「夜間はカメラでの目視確認はできず、水位計を増やす必要性を感じた」と話す。一方、福岡県の担当者は「小規模な川は少量の雨でも水位が大きく変わり、計測結果を避難の参考にしにくい面もある」と指摘している。

 両県によると、県管理の計919河川のうち、水位計が設置されているのは128河川。比較的大きい河川が多く、過去に大規模災害に見舞われたことをきっかけに設けたケースもある。5年前の九州北部豪雨で浸水被害があった福岡県八女市ではその後、2河川に設置された。

 九州大の矢野真一郎教授(河川工学)は「水位計はリアルタイムで状況が分かり、あるに越したことはない。川の特性を理解して運用すれば、一定の防災力強化につながる」としている。