2時間で「氾濫」レベルに一変 筑後川支流、一気に増水

九州北部豪雨

 九州北部の豪雨は、本格的な降り始めから2時間以内に、筑後川北側の複数の支流が氾濫の危険が高いレベルになっていたことが24日、気象庁のデータから分かった。

 護岸や堤防の損壊など河川への被害は、福岡、大分両県などのまとめで計700カ所以上に及び、多くは支流の中小河川だった。気象庁は「中小河川は局地的な大雨で一気に増水する。雨量や洪水危険度などの情報を見て、早めに避難してほしい」としている。

 福岡県朝倉市では5日午前11時40~50分ごろから本格的に降り始めた。正午から午後1時までの1時間に88・5ミリの猛烈な雨になり、午後1時14分に大雨警報が出た。午後3時38分には1時間降水量が観測史上最大の129・5ミリに達し、繰り返し「記録的短時間大雨情報」が発表された。

 同市東部の赤谷川と乙石川では、洪水リスクを5段階に地図で色分けし、ホームページで公開している気象庁の「危険度分布」で、午後0時半までは流域全体が一番低い水色だったが、午後1時半には広い範囲で上から2番目の薄紫「非常に危険」が現れた。

 洪水の危険度は流域に降った雨が河川に流れ込む量や、その後数時間以内に予想される雨量などから計算されている。薄紫は気象庁が「避難など安全確保の行動を始めてほしい」と呼び掛けている危険度で、二つの支流は本格的な降り始めから2時間足らずで状況が一変した。

 朝倉市西部を流れる桂川でも、午後1時半には広い範囲が薄紫になり、リスクが最も高く実際に氾濫している可能性もある濃い紫の「極めて危険」もわずかだが現れた。

 福岡県東峰村の宝珠山川や大分県日田市の鶴河内川でも、午後2時から薄紫が出現した。朝倉市を含む3市村の支流では、午後4時半までに大部分が濃い紫に染まった。

 20人以上の犠牲者が出た朝倉市が全市域に避難勧告を出したのは午後2時26分。午後3時半からは順次避難指示に切り替えていったが、避難を始める前には、すでに川があふれていたと話す住民もおり、行政の対応に課題を残した。 

 水害の危険度分布 大雨の際、水害が発生する危険度の高さを色で表示した地図。河川の氾濫(洪水)と家屋への浸水など(浸水害)の2種類がある。(1)濃い紫(極めて危険)、(2)薄紫(非常に危険)(3)赤(警戒)、(4)黄(注意)、(5)水色・無色(今度の情報等に留意)-の5段階で、気象庁のホームページの「危険度分布」から確認できる。土砂崩れの危険性を表示する「土砂災害警戒判定メッシュ情報」もあり、気象庁はいずれも、薄紫が出たら避難など安全確保の行動をとるよう呼び掛けている。