早期復興願い日田祇園 幻想的な巨大山鉾の光 大分・日田

九州北部豪雨
大分県日田市で22日始まった日田祇園祭で披露された山鉾

 九州北部の豪雨で大きな被害が出た大分県日田市で22日、300年以上の歴史があるとされる日田祇園祭が開催された。災害などを払い安泰を祈念する2日間の祭りに、市民らは早期復興の願いを託した。「曳山行事」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録後、初めての開催となった。

 花月川の氾濫で被害の出た豆田地区。夜、川面に山鉾を彩る多数のちょうちんの幻想的な光が揺れた。橋の上には、花や人形で飾られた高さ8メートル前後、重さ数トンの勇壮な山鉾4基。

 「おいさっ」。力強い掛け声とともに、法被姿の男衆が山鉾を回転させると、周囲を埋め尽くした観客から大きな拍手が起きた。祇園囃子がやみ、豪雨の犠牲者に黙とうがささげられた。

 猛暑日となった日中から夜にかけて「災害が二度と起きない地域に」との願いを胸に、豆田地区と隈・竹田地区で計9基の巡行が行われた。

 曳き手の石井改さん(20)は「みんな大変な思いをした。盛り上げていきたい」。土産物店で働く武原美加さん(46)は「祭りをきっかけに、多くの観光客に来てもらいたい」と期待を語った。

 福岡市から来た保育士、谷口真衣さん(29)は「大雨の影響が心配だったが、地元の方の力に感動した」と、迫力に驚いた様子だった。

 豪雨被害で、観光色の強い「山鉾集団顔見世」は中止されたが、祇園祭は元々「邪気を払う祭り」(原田啓介市長)だとして予定通りの実施が決まった。