藤井四段、通算31勝目 玉を四段目まで進める展開に解説者が驚愕 「ゴールキーパーが前で戦うようなもの」

将棋
【藤井聡太四段 加古川青流戦】唇をかみ、真剣な表情で対局までの時間を待つ藤井聡太四段=11日午後、大阪市福島区の関西将棋会館(須谷友郁撮影)

 将棋界の最多連勝記録を30年ぶりに塗り替えた最年少棋士、藤井聡太四段(14)は11日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた若手棋士らが参加する加古川青流戦トーナメント3回戦で都成(となり)竜馬四段(27)を破り、ベスト8に進出した。30連勝がかかった7月2日の対局に敗れ、記録はストップしたが、その後は仕切り直して2連勝。19日には15歳の誕生日を控え、「ゴールキーパーが前に出て戦うようなもの」とベテラン棋士もうならせる豊かな発想の将棋で、14歳最後の公式対局を白星で飾った。

 3度目となった都成四段との対戦は、持ち時間各1時間の早指し戦。藤井四段は白色と紺色のレジメンタルタイを締めた紺色のスーツ姿に、トレードマークの空色のリュックサックを携え先に入室。静かに対局の時を待った。

 前回の対局に続き中飛車の戦型を選んだ都成四段に対し、後手番の藤井四段は、居飛車で応じたが中盤、5筋に飛車を振って対抗。その後、玉を四段目まで進める展開となり、インターネット中継で解説をしていた勝又清和六段と藤森哲也五段が「ゴールキーパーが前に出ているようなもの」と驚きの声を上げて戦局を見守った。その後も形勢が入れ替わる難しい局面が続いたが、持ち前の終盤力を発揮し、130手で都成四段を下した。

 藤井四段は終局後、3度目となった都成四段との対局に「自分としては意識せず臨んだ」と平常心を強調。ベスト8進出については「まだ道のりは遠く強敵との対局が続く。これからも一局一局気を引き締めて指していきたい」と話した。

 19日が15歳の誕生日で、14歳最後の公式戦を白星で飾り、「周りの環境も含めていろいろと変わり、成長できた一年になった。次の年はより強くなれるよう頑張りたい」と話した。

 一方、3連敗を喫した都成四段は終局後、「指し進めるうちに模様が良くなり、若干指しやすい感じになった。6一銀と(敵陣へ)踏み込んだ時には勝てると思った」と話し、悔しさをにじませた。藤井四段の“ホーム”である愛知県で8月5日に開かれる将棋イベントでは、公開対局を控えており、「藤井ファンが多いだろうが、自分としてはあわよくば一泡吹かせたい」と雪辱を誓った。

 藤井四段は昨年12月のデビュー戦から勝ち続け、6月26日には新記録の29連勝を達成。7月2日の対局で敗れたが、その後、2連勝している。次回は21日、上州YAMADAチャレンジ杯で三枚堂達也四段(23)-梶浦宏孝四段(22)の勝者と対戦する。