藤井四段初黒星「この先に、誰も到達したことのない地点がある」 作家、小川洋子さんの話

将棋
佐々木勇気五段との対局で1手目を指す藤井聡太四段。公式戦での初黒星を喫し、連勝記録は29で止まった=2日午前、東京都渋谷区の将棋会館(古厩正樹撮影)

 2日の対局で若手のホープ、佐々木勇気五段(22)に敗れ、デビュー以来公式戦で初黒星を喫した将棋の最年少棋士、藤井聡太四段(14)について、チェスを題材にした長編小説を執筆した作家の小川洋子さん(55)は次のように話す。

 「加藤一(ひ)二(ふ)三(み)九段とのデビュー戦から注目していた。どの分野でもある一定の間隔を開けてとんでもない天才が現れると思う。天才にしかわからない苦難も押し寄せると思うが、それを乗り越えた先に、誰も到達したことのない地点があるのでは。AI(人工知能)が強いといってもそれほど感動しないけれど、人間は人間の強さに感動しますね。30勝に1つ欠けたが、次の挑戦でより高く飛躍してほしい。

 勝ち続けている時はかえって負けた時のことが心配で、つい母親のような気持ちで見ていた。昼食の支払いに千円札を取り出したマジックテープ式の財布がすごく可愛らしくて、まだ中学生なんだと感じた。どんどん勝ってほしい気持ちと同じくらいいつ負けてもいいよ、みんなあなたを応援しているよと言いたいと思っていた。まだこれから先が長いのでじっくり天才性を伸ばしてほしい」