藤井四段フィーバー、講談も登場 地元愛知の講談師「活躍とともに口演も進化」

 
澤田真吾六段との感想戦に臨む藤井四段=21日午後、大阪市福島区の関西将棋会館(安元雄太撮影)

 30年間破られなかった将棋の最多連勝記録「28」に並んだ最年少プロ棋士、中学3年、藤井聡太四段(14)の地元、愛知県瀬戸市で幼少からの成長を描く講談「藤井聡太物語」が登場した。26日の新記録樹立を懸けた大一番を前に、創作した講談師、旭堂鱗林さん(43)は「聡太君の活躍と共に物語も進化する。変わっていく講談を作るのが楽しみ」と期待を寄せる。

 「私はねえ、あの子に傘貸したったこともあるんだでねえ」。約20分の講談は“地元のおばちゃんたちの自慢話”から始まる。藤井四段の小学校の担任に扮し、合わせた両手の人さし指を立てながら「聡太君の一手にうならされました。かん腸です」とこっそり明かす場面で会場がどっと沸いた。

 藤井四段の祖母らの語り口で、将棋との出合いを「幼稚園の年中で教えると1カ月で自分たちが勝てなくなった」と振り返り、プロ棋士に負け「嫌だ!」と悔し泣きして将棋盤を離さない小学生の藤井四段を母親が抱きかかえる様子を表現。最近の対局を「前傾姿勢で眼光鋭い、10代とは思えぬ勝負師」と評する。

 鱗林さんも愛知県出身。タレントを経て講談師旭堂南鱗さんに弟子入りし、平成28年から地元や大阪で活動を開始。瀬戸市のラジオ局にレギュラー出演する中で「藤井人気」を肌で感じた。新聞記事や雑誌を読み込み、藤井四段の祖母にも取材。将棋が分からない人にも聞いてもらえるよう、地元市民の目線で講談を練り、6月に口演を始めた。

 講談を通じて藤井四段を盛り上げていきたいと鱗林さん。「聡太君がどう育ったか全国に届けたい。身近に感じて一緒に応援してほしい」