強すぎる天才14歳 「もっと強くなるよう精進」前人未到の29連勝へ

藤井聡太四段28連勝・動画
将棋の公式戦連勝記録で歴代最多に並ぶ28連勝を達成し、感想戦で笑顔の藤井聡太四段=21日午後、大阪市福島区の関西将棋会館

 プロデビューからわずか半年、14歳の中学生棋士が「不滅」といわれた将棋界の大記録に並んだ。今世紀生まれ初の最年少棋士、藤井聡太四段が21日、強敵の澤田真吾六段(25)を破り、歴代最多タイの28連勝を達成。重圧を跳ね返しての快挙に、中学3年生らしいあどけない笑みを見せた。公式戦負けなしの快進撃はどこまで続くのか。前人未到の29連勝への期待が高まった。

報道陣100人以上

 歴史的記録がかかった一番とあって、大阪市福島区の関西将棋会館は100人以上の報道陣であふれかえった。

 午前10時、世紀の一戦が始まった。中盤以降、激しく攻めて優位に立った藤井四段は上着を脱ぎ、時折将棋盤に覆いかぶさるような姿勢で盤上に集中する場面もみられた。

 持ち味である終盤力が光り、午後4時47分、澤田六段が投了して勝ちが決まると静かに一礼。重圧のかかる対局を制した天才少年は、報道陣から激しいカメラのフラッシュを浴びながら、「(相手の攻めを)何とかしのげて反撃できた」「もっと強くなるよう精進したい」と笑みを見せた。

 6月2日の対局に続いて敗れた澤田六段は「今回はいい将棋を指したかったが、熱戦にならず残念。藤井四段はミスが少なく、隙がない」と脱帽。デビュー戦の対戦相手で20日に引退した加藤一二三(ひふみ)九段(77)は、インターネット放送の解説役として登場し、新旧天才の交代劇を思わせた。

 終局後の記者会見。藤井四段は「苦しい将棋が多くあり、はっきり負けの対局もあったので、ここまで連勝できたのは本当に運がよかった」とこれまでの道のりを振り返った。

 新記録の29連勝がかかった26日の竜王戦決勝トーナメントについては「記録はあまり意識せず、普段通りの自然体で。タイトル戦につながる大舞台でもあり、(増田康宏四段は)強い相手なので、気を引き締めて臨みたい」と淡々とした表情で語った。さらに「地元(愛知県)の方にも応援してもらい、モチベーションになっている。期待に応えられてうれしい」とファンへの感謝も述べた。

 会見には師匠の杉本昌隆七段(48)も同席して開口一番、「強すぎる」。一局ごとに強くなっていく愛弟子(まなでし)に「以前から手がつけられないほど強かったが、時にできの悪い将棋もあった。だが、プロになってからはそういうものが減り、安定感を増していった。すごい記録を成し遂げた」と目を細め、握手で快挙を喜び合った。

 勝ち星を重ねるごとに「藤井フィーバー」は高まり続け、大記録に並んだこの日も会館の周辺には「藤井君を一目見たい」と大勢のファンが殺到。新記録がかかる26日、天才棋士はどんな将棋を見せてファンを魅了するのか。