驚異の14歳負けず嫌い、勝負強さ、運…勝負師の要素備わる

藤井聡太四段28連勝・動画
28連勝を達成した藤井聡太四段。澤田真吾六段(手前)との感想戦にのぞんだ=21日午後4時59分、大阪市福島区の関西将棋会館 (安元雄太撮影)

 負けると火がついたように泣きじゃくる「負けず嫌い」。敗戦必至と思われた戦いでもわずかのチャンスをものにする「勝負強さ」。そして、勝利の女神を呼び込む「運」-。天才中学生棋士、藤井聡太四段(14)には勝負師に不可欠な要素がすべて備わっている。

谷川九段と対局し号泣

 有名なエピソードがある。藤井四段が小学2年の頃、谷川浩司九段(55)の胸を借りた指導対局。永世名人の資格を持つトップ棋士との対局は次第に劣勢になった。

 気遣った谷川九段が「引き分けにしようか」と話した瞬間、藤井四段は将棋盤を抱えるようにして号泣し、母親の裕子さん(47)が抱きかかえてその場から引き離した。

 対局で敗れると同様の光景が繰り返され、「尋常ではない勝負への執着」に師匠の杉本昌隆七段(48)も驚いた。「闘争心の塊。負けた悔しさを次の対局にぶつけて成長していった」と強さの秘訣を明かした。

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 裕子さんによると、10歳でプロ棋士養成機関「奨励会」に入会した頃から人前で泣くことはなくなったが、負けず嫌いは変わらなかった。連勝街道を疾走中の対局でも、逆転された場面で膝を叩いて悔しがる姿がみられた。

 勝負強さと強運を指摘するのは、日本将棋連盟常務理事の脇謙二八段(56)。奨励会の最後の難関である三段リーグを1期で勝ち抜き、「史上最年少棋士」の称号を獲得。デビュー後11連勝の新記録は、1回しかないチャンスを確実にものにした。

 公式戦28局のうち2局は明らかに負けていたが、藤井四段が勝負を投げることはなく、両局とも最終盤で相手にミスが出て逆転勝利。「こういうところがないと大記録は達成できない」と脇八段は感心する。