島根・雲南でコウノトリ巣作り

 
電柱の上に巣を作るコウノトリ=3月15日午後3時、島根県雲南市大東町(島根県立三瓶自然館提供)

 国特別天然記念物「コウノトリ」のカップルが、島根県雲南市大東町内で巣作りしているのを、島根県や雲南市などが確認した。16日に調査を手がけた兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)は「このカップルがペア(夫婦)となって卵を産み子を育て、この地に定着してほしい」と期待する。同公園のある豊岡市周辺から離れた地域で造巣が確認されたのは徳島、福井両県に続いて3例目。

 雲南市教委によると、昨年11月頃から市内でコウノトリの飛来が目撃され、今月上旬には50センチほどの木の枝が多数落ちているのに住民が気付き、コウノトリが高さ10メートルの電柱の上で造巣しているのが確認された。このため、同公園研究員をはじめ島根県や雲南市、中国電力などの関係者が16日に現地を視察。確認されたのは、平成26年に福井県越前市の飼育施設で生まれ、人為的に放されたオスと、24年に豊岡市内で生まれて巣立ったメスと分かった。

 市教委は、専門家の助言を受けながら観察に当たる方針で、巣を静かに見守るよう呼びかけている。電柱を管理する中国電も「巣は撤去せず見守っていく」としている。

 国内では昭和46年に野生のコウノトリが絶滅。その後、飼育下での繁殖が軌道に乗り、平成11年に開館した同公園がコウノトリの野生復帰を目指す取り組みを進めている。宇都宮英信副園長は「絶滅を避けるには生息地の拡大が重要で、カップルの造巣はその大きな一歩。ぜひペアとなって営巣し、産卵や抱卵を経てヒナをかえし、この地に定着してほしい」と話している。