顔の半分を失った小5「まるでゾンビ(笑)」 子供の病気と向き合う3家族の映画『Given』公開

 
26日から大阪で公開される映画「Given~いま、ここ、にあるしあわせ~」の1シーン((c)2016 Given いま、ここ、にあるしあわせ)

 小児がんなどと向き合う3組の家族を追ったドキュメンタリー映画「Given~いま、ここ、にあるしあわせ~」(高橋夏子監督)が26日から大阪市北区のシネ・リーブル梅田で上映される。出演した母親は「この映画が、今を大切に生きることを意識する機会になれば」との願いを込める。

横紋筋肉腫、ムコ多糖症、18トリソミー…「今を大切に生きる」

 映画に登場する横浜市の小学5年生、塩川利音君(10)は、2年生の時に歯の痛みを訴え、「横紋筋肉腫」という悪性の腫瘍があることが分かった。病名を告げられたときのことを、母親の亜紗美さん(33)は映画の中で「この子が死んだら、私も生きていけないと思うほど怖かった」と振り返る。

 25時間に及ぶ手術は成功したが、利音君は左の眼球と顔の半分近くを失った。鏡を見てどんな反応をするだろう。周囲には不安もあったが、ひょうきん者の利音君は「俺の顔、ゾンビみたいだ!」と笑った。弟の利珠君(9)も「海賊みたいでかっこいい」と友達に話していたという。

 1年近く学校を休んだ利音君が復学する際には、病気のことを理解してもらうため全校集会を開いてもらった。亜紗美さんは「発想の転換が大事だと思う。失ったものを嘆くより、どうはい上がり、生きていくかだ」と話す。

 大変な病気を受け止め、笑っている利音君や家族がいる。その姿を通じ、映画を見る人に希望を感じ取ってもらえればと亜紗美さん。同じような状況に直面する可能性は、誰にでもあるということも意識してほしい。「そうすれば、今ある時間を大切にできるのでは」と話している。

 映画にはほかに、年齢とともに言語や歩行などの機能が退行するムコ多糖症や、染色体疾患の18トリソミーの子供と家族が登場する。制作した公益社団法人「難病の子どもとその家族へ夢を」は各地の学校や施設での自主上映も募集している。問い合わせは同法人((電)03・6280・3214)。

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▼映画「Given~いま、ここ、にあるしあわせ~」のサイト(外部リンク): http://given-imakoko.com/