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飛び込み寺内健、2秒に全て詰め込む 6度目出場の40歳 悲願のメダルへ 14日で東京五輪100日 

産経新聞のインタビューにオンラインで応じた寺内。胸中を率直に明かした(西沢綾里撮影)
産経新聞のインタビューにオンラインで応じた寺内。胸中を率直に明かした(西沢綾里撮影)

 飛び上がってから着水までわずか2秒。東京五輪飛び込み代表の寺内健(ミキハウス)は、その「一瞬」に競技人生のすべてを詰め込んできた。夏季大会では日本人最多タイとなる6度目の大舞台まで、14日で100日になる。40歳の実力者は産経新聞の単独インタビューに応じ、新型コロナウイルス禍での五輪延期決定や自身の感染を経験した中で自分の役割を問い続けてきた葛藤や、本番で実現したい夢などについて率直な胸中を明かした。

 まだ五輪開催を確信できずにいる。18日に東京都内で開幕予定だった東京五輪最終予選を兼ねたワールドカップ(W杯)が5月1~6日に日程変更された。一時は国際水泳連盟が新型コロナウイルス感染拡大などを理由に中止の意向を示した。「どう解釈すればいいか。ただ、いつ本番がきてもいいように後輩と準備はしている」。不安の中で集中を強いられている。

 代表決定までは順風満帆だった。美しい空中姿勢には自信がある。手足の指先まで真っすぐ伸ばし、水中へ「スッ」と消える。トップ選手の多くは曲芸のような技で高得点を狙う。精度で勝負する背中は異彩を放つ。2019年夏の世界選手権では美しい演技を披露し、男子シンクロ板飛び込みで全競技を通じ日本勢で第1号の東京五輪代表になった。同9月には男子3メートル板飛び込みでも代表を決めた。

 葛藤と向き合ったのは年が明けてからだった。20年3月、新型コロナの感染拡大で五輪延期が決まった。自宅で過ごす時間が長くなった。「最優先されるべきは人命」と考えた。昨年8月には自身がコロナに感染した。防止に細心の注意を払っても防げず、軽い発熱と味覚異常が出た。会った人や練習仲間に連絡した。申し訳ない気持ちだった。

 自分に何ができるのか自問した。5日間の入院中、後継者を育てる役割に改めて気づいた。馬淵崇英コーチからは連日「健、ちょっと見てくれよ」と電話があった。オンラインを通じ、いつものように後輩の陸上トレーニングを指導した。W杯で代表を目指す玉井陸斗は14歳、内定している荒井祭里は20歳と若い。

 「ごめんなぁ」と頭を下げると「待ってますから」と返ってきた。心地よかった。「彼らに五輪で最高の演技をさせたい。やっていることは、無駄ではないことを伝えたい」。東京五輪へ力がみなぎった。

 かなえたい夢がある。30年前、小学5年で飛び込みの世界へ導いてくれた中国出身の馬淵コーチと「五輪で最高の演技がしたい」という。15歳で初出場した1996年アトランタ五輪から2008年北京五輪まで4大会連続出場。09年に現役を退き11年に戻ってきた。東京は恩師と迎える6度目の大舞台になる。納得の2秒を作り上げた先に表彰台があったら-。最高のシナリオが完成する。(西沢綾里)

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