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ランナー「地元走りたかった」 大阪府内公道の聖火リレー中止で

スタージ・ウェーバー症候群を患いながらも大阪府堺市の聖火リレーランナーを務める橋本健亮さん(中央)。トーチを模した道具を持って公園で走る練習をしているという。右は父・洋之さん、左は母・紀美子さん=3月、堺市西区(寺口純平撮影)
スタージ・ウェーバー症候群を患いながらも大阪府堺市の聖火リレーランナーを務める橋本健亮さん(中央)。トーチを模した道具を持って公園で走る練習をしているという。右は父・洋之さん、左は母・紀美子さん=3月、堺市西区(寺口純平撮影)
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 大阪府内全域で公道での東京五輪聖火リレーを中止することが決まった7日、地元でトーチをつなぐことを心待ちにしていたランナーたちに戸惑いが広がった。代替措置として同府吹田市の万博記念公園で無観客で行われるが「地元を走りたかった」との声も。準備を進めていた自治体は、沿道の交通整理を依頼していたボランティアへの連絡など対応に追われた。

 「これまで支えてくれた人たちが、ぼくが走る姿を楽しみにしてくれていた。多くの人たちに見てもらうことができなくなったのが、何よりも辛い」

 8日から府立堺支援学校高等部に通う橋本健亮(けんすけ)さん(15)は、13日午前、府内のスタート地点になる堺市でトーチをつなぐ予定だった。難病を抱え手術を繰り返しながらも、自力で歩けるようになった姿を同じような境遇の人たちに見てもらい、励みにしてもらおうとランナーに。それだけに公道でのリレー中止の一報に悔しさを募らせた。

 ただ、「今回の中止で、多くの人の安心や安全が確保されるのなら、仕方がない。十分に理解できる」。「リレーへの思いは他の都道府県のランナーにしっかりつなげていく」と話した。

 14日に同府泉佐野市を走る予定だった西村成生(しげお)さん(71)は、リレーコースの下見を兼ねて散歩をしている最中に家族から中止のニュースを知らされた。「ショックと同時に、府内の感染者数が800人を超える中で、やはり、とも思った」

 中学3年生だった1964年の前回東京五輪では同市内を走る聖火ランナーの伴走者を務め、再び市内で聖火をつなぐことを心待ちにしていた。万博記念公園を走る代替措置にも「泉佐野市を走らないと意味がない」と残念がった。

 ランナーの一人で同府藤井寺市の道明寺天満宮宮司、南坊城光興(みなみぼうじょう・みつおき)さん(46)も「地元の人たちが楽しみにしていたので申し訳ない」と複雑な心境を漏らし、「府内でも、感染者が多い地域とそうでない地域があるので考慮していただければありがたかった」と話した。

 突然の決定に、地元自治体も対応に追われた。堺市は歌舞伎俳優の片岡愛之助さんらが走る予定で、沿道の交通整理などのため、約200人の市民ボランティアを集めるなど準備を進めていた。担当者は困惑を隠さず、「中止に落胆している。ボランティアのみなさんも驚いているだろう。できるだけ早く対応したい」とした。

 近畿大病院感染対策室の吉田耕一郎教授(感染制御学)は「(聖火リレーを)大阪市内だけ排除しても意味がないと思っていた。府域全域での中止は賛成だ」という。すでに実施されたリレーの一部について「かなりの人が密集し、感染リスクが高い状況だった」と指摘。「『第3波』より早いスピードで感染者が増加する中、人の流れを起こさせるものは極力やめるべきだ」と話した。

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