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五輪不参加表明 日米韓への対話の窓閉ざす正恩政権、文政権は落胆

リオデジャネイロ五輪の開会式で入場行進する北朝鮮選手団=2016年8月5日、マラカナン競技場(大橋純人撮影)
リオデジャネイロ五輪の開会式で入場行進する北朝鮮選手団=2016年8月5日、マラカナン競技場(大橋純人撮影)

 北朝鮮は、東京五輪への不参加を表明したことで、東京を舞台にした日本や米韓との対話に意欲がないことを言外に示した形だ。バイデン米大統領が北朝鮮への譲歩や金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記との会談に応じない現状では、メリットがないと判断した可能性がある。

 北朝鮮は新型コロナウイルス流入を警戒し、昨年1月から中国との国境を事実上、閉ざしてきた。韓国統一省によると、今年1、2月の中朝間の貿易額は計約327万ドル(約3億6千万円)だが、大半が北朝鮮から中国への電力輸出分で、交易は実質ゼロの状態だ。

 医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な北朝鮮は、住民の国内移動を制限し、海外にいる自国民の帰国も許さない厳しい措置を敷いてきた。金氏はスポーツ愛好家で知られ、体育振興に力を入れるが、五輪選手団に限って海外に派遣する大義名分は立ちにくい。

 バイデン政権はトランプ前大統領と金氏の首脳外交を否定的にとらえ、対北政策の見直しを進めており、北朝鮮が無理に東京に選手団や高官を派遣しても外交的成果も期待しにくい。

 北朝鮮は3月、高官の談話を通じて「敵視政策」を撤回しない限り、米国と接触しないと明言していた。

 北朝鮮にとって対米外交に進展がなければ、日本との交渉はさらに利点が薄い。菅義偉(すが・よしひで)首相が拉致問題の解決に意欲を表明したことに対し、北朝鮮は2月、メディアの論評で「拉致問題は既に全て解決された」と主張して協議を拒否する立場を鮮明にしている。

 北朝鮮の五輪不参加に最も落胆しているのが、東京五輪への参加を南北対話の再開につなげようとしてきた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権だ。統一省当局者は「五輪が南北間の和解・協力を進めるきっかけになると願っていたが、残念に思う」と述べた。(ソウル 桜井紀雄)

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