【Go Forward】もっと強く リオ五輪「銀」の陸上400メートルリレーメンバーに聞く

新型コロナウイルスの感染拡大はスポーツの世界も一変させた。アスリートたちは躍動の場を奪われ、東京五輪は2021年に1年延期された。前回16年リオデジャネイロ五輪で、列島を熱狂させた陸上男子400メートルリレー銀メダルメンバーは、そんな現状に何を思うのか。山県亮太(28)=セイコー、飯塚翔太(29)=ミズノ、桐生祥秀(25)=日本生命、ケンブリッジ飛鳥(27)=ナイキ=の4人がオンラインでつながり、五輪イヤーの抱負や問題意識などを存分に語り合った。(司会 宝田将志)
■山県亮太 「金を目指す」前回五輪の約束果たしたい
■飯塚翔太 スポーツ見て 免疫上げて ストレス発散
■桐生祥秀 五輪あると信じ割り切って練習するだけ
■ケンブリッジ飛鳥 最高の準備でどんな状況でも全力でやる
--東京五輪が予定される21年です。新年の抱負を
飯塚「競技っぽくないんですけど。『みんなの免疫を上げる!!』。スポーツを見て歓声を上げたり、『楽しかったね』と話したり、元気になって免疫を上げてもらえたら。そのために競技で結果を出したいですね」
山県「『質実剛健』。出身の修道高の校是なんです。(昨季は)けがもあったので、初心に帰って着実に一歩一歩積み上げていけたらと思います」
ケンブリッジ「何のひねりもないですが、もう一度、『自己ベスト』を出す。20年に続いて再び自己ベストを出せれば、日本記録や五輪の決勝の舞台も近づいて来るので」
桐生「『動』。動く。21年は東京五輪があることも含めて変動する年になるんだろうなと。僕も動いていくし、五輪の後も、いろいろ動くと思っています」
--20年はどんなシーズンでしたか
山県「けがの度に得るものがあって、良いきっかけになりました」
ケンブリッジ「僕は止まっていたものが、やっと動き出した感じです。3年ぶりに自己ベストを出せて」
桐生「約3カ月で終わる短いシーズンなんて今までなかったけど、たまにはこういう年もいいかな、と思いました」
飯塚「お客さんが入った試合は、すごくいいなと。改めて感じた。楽しめたシーズンでした」
桐生「例年は海外の大会に行って、日本に戻ってという流れだけど、昨季は、ずっと(国内大会で日本のトップ選手の)ほぼ同じメンバーで走っていた感じでしたね」
飯塚「ケンブリッジのスタートが速かったよね」
ケンブリッジ「良くなりましたね」
山県「体が張っているな、調子良いんだろうなと思った。桐生はスタート(の姿勢)を変えたなと思いながら見ていたよ」
--コロナ禍でのスポーツに難しさも感じたのでは
飯塚「陸上は大会をできているので、ましな方です。試合をできない選手、見に行けない人、たくさんいると思うんです。これから(社会には)リフレッシュできる場がとても大事になってくる。スポーツを見て、ストレスを発散してもらいたいですね」
山県「コロナの自粛期間に『スポーツする意味あるの?』って、みんな考えて、『スポーツが人生の潤いになる』『スポーツって大事だよな』と感じた人が多かったのでは。僕はプロ野球の再開をすごく楽しみにしていましたから」