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【再び夢舞台へ】パラ切符「先見えず」 重要大会も中止に ママアスリート、谷真海の挑戦

 「先が見えないですね。(出場権に必要なポイントを獲得するための)大会も延期になっている。でも、今できることを積み重ねていくしかありません」

 パラトライアスロン出場を目指す谷真海(サントリー)がこう話していたのは、38歳の誕生日を迎えた12日だった。その後も新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、2020年東京五輪・パラリンピックは1年程度の延期が決まった。

 本来なら今年は「キャリアの集大成」と位置付けたシーズンだった。1月末から約3週間、4歳の長男・海杜くんと一緒にニュージーランド・オークランドへ渡り、本格トレーニングを始めた。トライアスロンの元プロ選手で日本人夫妻の自宅にホームステイした。

 夏の南半球は温暖で谷は存分に体を動かした。朝は6時から約2時間ランニングとバイク(自転車)で汗を流した。「現地で驚いたのはスポーツが想像以上に盛んな土地柄だったこと。早朝から自転車に乗る人、走る人がたくさんいました」。バイクで海岸沿いのロードに繰り出すと、行き交う愛好家らが笑顔で声を掛けてくれた。朝食を取り、長男を託児施設に預けた後は海やプールで泳いだ。午後は体のケアに十分な時間を費やした。

 「日本では、冬のこの時期に、こんなに練習できたことはなかった。質も量もしっかりとこなすことができた」

 終盤は夫の昭輝さんが駆け付けた。最初は慣れない環境に泣いていた長男もすっかり現地に馴染んでいた。締めくくりは地元の大会に出場した。健常者が砂浜から走ってスタートする中、海中で待機する谷がパラリンピックを目指していることがアナウンスされると、歓声が上がった。

 合宿後は家族と離れ単身でオーストラリアへ。メルボルン経由でダベンポートに入り、2020年シーズンの初戦に挑んだ。昨季から課題のバイクは向かい風と上り坂でスタミナを奪われ、今回も苦しんだ。「ウイークポイントがもろに出てしまったレースだった」。合宿でのオーバーワークで、首から頭にかけて慢性的な激痛が生じたことも響いた。自分のクラスで2位。障害が軽いクラスと合わせた五輪の実施クラスで5位だった。

 今後も出場予定だった大会が休止するなど、状況は刻一刻と変わる。

 「ニュージーランドに行けて、私も息子もいい経験ができた。これこそ、ママアスリートだからこそできる経験だと思います」。南半球で過ごした約1カ月がかけがえのない時間になったことは間違いない。(田中充、掲載随時)

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