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小池知事「ゴールが具体的に」 聖火ランナーは落胆

ぶら下がり取材に応じる、小池百合子都知事=24日午後、東京都(松井英幸撮影)
ぶら下がり取材に応じる、小池百合子都知事=24日午後、東京都(松井英幸撮影)

 東京五輪開幕を4カ月前に控えた24日夜、安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が、東京五輪を1年程度延期することで合意した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がもたらした激震。大会関係者からは「中止にならなくてよかった」と安堵(あんど)の声が聞かれたが、開始目前の国内聖火リレーも中止になるなど困惑と失望も広がった。

 「ゴールが具体的になった。次の目標に向かって準備を進めていく」

 東京五輪の1年程度の開催延期が確認されたバッハ会長と安倍首相の電話会談の後、会談に同席した東京都の小池百合子知事は報道陣の取材に対し、大会中止が回避されたことへの安堵をにじませた。

 今後は新型コロナウイルスの感染拡大防止をはかりつつ、延期に伴う作業や経費増加など課題の洗い出しを急ピッチで進める必要があり、開催都市である都の道のりは平坦(へいたん)ではない。それでも小池氏は「2021年夏までというゴールが具体的になった。選手にとっても目安ができたのは大きいし、都としても準備を重ねてきたので、国、組織委と連携して進める」と続けた。

 世界のアスリートから新型コロナへの不安が上がっていることを踏まえ、「新型コロナウイルスに打ち勝つという世界の目標ができたのも今日の会談の成果ではないか」と述べ、増加が見込まれる大会経費の負担に関しては「何がどうなるか精査しないといけない。国などとの協議の場を確保し、分担などを決めていく」とした。

 都幹部の1人も「大会開催の流れでよかった」と話す一方、「1年程度先といわれる開催に向けて課題を整理したい。関係機関、団体との調整は難航するだろう」と表情を引き締めた。

 五輪の延期合意を受け、大会組織委員会の森喜朗会長は26日に迫った国内聖火リレーを中止すると表明。ランナーらは落胆し「仕切り直して」と悲痛な声を上げた。

 平成23年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で一時、全町避難を余儀なくされた福島県楢葉町から聖火ランナーに選ばれた県立ふたば未来学園高校(広野町)の卒業生、阿部聖央(まひろ)さん(18)は「(聖火リレーができなくなるのは)とても辛くてきつい。なんでこうなってしまったんだという思い」と悔しさをにじませた。

 宮城県石巻市の鈴木典行さん(55)は震災の津波で児童74人が犠牲となった市立大川小で次女、真衣さん=当時(12)=を失った。真衣さんの名札を着けてリレーに臨むつもりだったといい「一緒に走れると思っていたのに。このまま終わりでは悲しい」と声を落とした。

 リレー通過に合わせ、バッハ会長が訪問予定だった広島市。被爆者としてランナーに選ばれた梶矢文昭さん(80)は「原爆に命を奪われた方々を思いながら、この手で平和の灯をつなぎたかった」と無念を口にした。

 一方、震災被災地で聖火を展示する「復興の火」の一環として、22日に聖火を鉄道で運んだ岩手県の第三セクター・三陸鉄道の中村一郎社長(64)は「今の状況で強行するほうがマイナスが大きい。やむを得ない」と冷静に受け止めた。

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