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東京五輪「延期は困難」の声 会場・選考・経費…クリア厳しく

 新型コロナウイルスの感染拡大による東京五輪開催への懸念が高まる中、国際オリンピック委員会(IOC)は、7月24日開幕で大会を開催することに理解を求めてきた。20日にはギリシャから聖火も日本に到着し、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城、岩手、福島3県を巡回する「復興の火」の一般展示が始まった。一方で、代表選考を兼ねた国際大会の中止、延期は相次いでおり、一部の選手や各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)関係者からは大会「延期」を求める声があがっている。

■IOC会長「違うシナリオ」言及

 IOCのバッハ会長は19日、予定通りの開催を目指す東京五輪について「もちろん違うシナリオは検討している」と述べ、通常開催以外の可能性にふれた。五輪予選を兼ねた国際大会の中止や延期が相次いでおり、関係者からは「延期」を求める声があがっている。世界的な感染拡大で代表選考が困難になり、選手の練習環境が悪化しているのは事実だが、延期には非常に高いハードルが存在するのも実情だ。

 延期された場合、開催決定から7年近くをかけて進めてきた準備は大幅な修正を強いられる。新たな日程調整には難航が予想される上に、大会開催経費の増大も不可避だ。

■会場「使える保証ない」

 「1年や2年延ばしましょうと言って、その場所をまた使える保証はない」。大会組織委員会の森喜朗会長の指摘だ。森会長ばかりでなく、組織委幹部には「延期は困難」という見方が多い。理由の一つには、大会関係施設の再確保が困難という事情がある。メインプレスセンター、国際放送センターが置かれる東京ビッグサイト(東京・有明)を借り上げる際に「国際展示場不足」が問題視されただけに、1年、2年後に改めて借り上げることは難しいことが予想される。

 通常は1年半前から会場予約を受け付けており、すでに2021年8月分は予約が始まっている。約11万5000平方メートルの展示面積を誇る施設だけに、代替施設を見つけるのは容易ではない。さらに、フェンシングやレスリング、ゴールボールなどパラリンピックを含めて7競技が行われる幕張メッセ(千葉市美浜区)も、18年度に約400件の利用実績がある人気施設。利用開始日の1年前から予約を受け付けており、こちらも調整は難しい。

 大会後に改修して計23棟のマンション(約5600戸)として供給される東京・晴海の選手村は23年3月には入居が始まる予定。既に一部の住戸を販売しているが、引き渡しに影響が出ることも予想される。さらに、プロ野球、サッカーJリーグが使う球場やスタジアムの調整は一からやり直しとなる。

■選手選考はやり直す?

 「トップレベルの選手の状態が延期後も変わっていないかは疑問」。すでに代表選手が内定している競技団体の関係者はこう打ち明ける。選手たちは年齢やコンディションなど多くの要素に対し、五輪本番を見据えて調整している。中には、柔道や競泳のように、五輪に向けて十分な準備期間を確保するため、「早期内定制度」を導入している競技団体もある。

 4年に1度の大会に向け、心身の調整を続けてきた選手が、簡単に目標を先に切り替えることができるわけではない。

 また、陸上などのように一定期間内に参加標準記録をクリアした選手が出場資格を得る競技もあり、開催が延期となった場合は条件の再考も必要になってくる。ある競技団体の関係者は「数カ月の延期ならまだしも、1~2年の延期となれば、もう一回選手を選び直すのが現実的ではないか」と指摘する。

 一方で、すでに五輪代表に決まった選手の努力を無に帰すような結果になることに反対の考えもある。内定を勝ち取った選手が見直しを余儀なくされれば、スポーツ仲裁裁判所に訴えるケースも想定される。

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