東京五輪への強化試合中止
日本サッカー協会は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪代表候補となるU-23(23歳以下)日本代表の国際親善試合、南アフリカ戦(27日)とコートジボワール戦(30日)の中止を発表した。
金メダル獲得を目標に掲げる東京五輪戦略は、根本から見直しを迫られる。ほぼ国内組だった1月のU-23アジア選手権で1次リーグ敗退を喫して決勝トーナメントを戦えなかったのに続く、あまりにも痛い実戦機会の喪失となる。
今月の国際親善試合には、欧州組を含めたベストメンバーで臨むはずだった。森保監督は「6月以降はオーバーエージ(OA)を含む陣容で戦いたい」と青写真を描き、OAを除くチームの骨格を固める機会と位置付けていた。
五輪をめぐる日本サッカー界の状況は一変した。久保建(マジョルカ)ら主力の多くは欧州でプレー。代表活動への参加もままならず、いまだに主軸選手すらみえてきていない。国内組中心だった過去の五輪では考えられなかったことだ。
現時点で残す実戦は6月のフランス遠征と7月の国際親善試合となる。森保監督は「あらゆる状況を想定し、ベストを模索しながら進んでいく」と日本協会を通じてコメントしたが、五輪開幕が迫る中で軌道修正するために打てる手は限られている。(奥山次郎)