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【独自】聖火リレー水素燃料で 最終走者トーチ 浪江産検討

 2020年東京五輪で行われる聖火リレーの最終走者らが持つトーチの燃料に水素を使う方向で最終調整していることが31日、分かった。聖火への水素使用は五輪史上初めて。福島県浪江町で建設中のプラントで太陽光を使って製造した水素を充填(じゅうてん)し、二酸化炭素(CO2)を生産から燃焼まで排出しない技術を世界に示す。東京電力福島第1原発事故で甚大な被害を受けた「浪江町産」水素を震災復興の象徴にも位置づける。

 聖火リレーでは、約1万本のトーチを使う。ただ、水素用のトーチはLPガス(液化石油ガス)を使う既製品より高価で量産が難しいことから、大会組織委員会では、全体のうち10本前後を象徴的なシーンで使う方向だ。

 水素燃料のトーチは、3月26日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」で、平成23年のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が国内リレーを始める場面や、7月24日の開会式で東京・国立競技場の聖火台に点火する最終走者らが使う案が有力だ。

 聖火台の燃料も水素を使う技術がほぼ確立した。組織委では、開会式と閉会式で一時的に使う聖火台と、大会期間中に東京・江東区の「夢の大橋」のたもとに設置される聖火台の燃料に水素を採用する方針だ。

 水素は、太陽光発電を使った世界最大級となる1万キロワットの水素製造装置を備えた浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド」から供給する。研究フィールドでは、完全な「CO2フリー」を実現し、地球温暖化対策の最先端技術も示す。

 水素エネルギーは、燃焼時にCO2を排出しないことから、地球温暖化対策の切り札として世界で開発が進んでおり、特に日本は水素の燃料電池車(FCV)などで先行している。

 東京五輪大会組織委員会では、五輪が次世代に残すレガシー(遺産)として「水素社会の実現」を重視。中でも太陽光から採火する聖火に水素を使えば「究極のCO2フリーをアピールできる」として、複数の企業がチームを組み、数年がかりでトーチの開発を進めてきた。

 ただ、通常のトーチ(長さ71センチ)と同じデザインを使う必要があり、水素を蓄える機器などの小型化が難航した。

 このため、チームは、1人の聖火ランナーに十分な7分以上の燃焼に耐え、かつ小型化した特殊な「水素吸蔵合金」を開発。炎を引き継ぐ「トーチキス」を片手で行えるよう軽量化も進めた。水素吸蔵合金は水素を放出すると冷える性質があるため、安定的な燃焼を保つために特殊なヒーターも開発したという。

 本来、水素の炎は無色透明だが、重曹(炭酸水素ナトリウム)を反応させ、高さ25~35センチ程度のオレンジ色の炎を演出する。すでに大会組織委や内閣官房などが行ったリスクアセスメント(FMEA)に合格しているが、現在さらなる軽量化を進めているという。

 大会期間中は、水素を燃料とした燃料電池バスを観客運送用などに50台程度投入するほか、大会関係者の輸送用としてFCVも約500台使い、「水素社会」を体感できる空間を演出する予定だ。

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