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「IOCだからだ」 強引手法で開催都市に大きなしこり残す

4者協議を終え、会場を後にする小池百合子東京都知事とIOCのジョン・コーツ調整委員長(左)=1日午後、東京都中央区(三尾郁恵撮影)
4者協議を終え、会場を後にする小池百合子東京都知事とIOCのジョン・コーツ調整委員長(左)=1日午後、東京都中央区(三尾郁恵撮影)

 「マラソン、競歩を東京で実施することがベストとの考え方はいささかも変わっていない。あえて申し上げるなら『合意なき決定』でございます」

 小池百合子知事の口から発せられたのは、英国の欧州連合(EU)離脱問題になぞらえた象徴的なフレーズだった。準備に奔走してきた関係者や都民の思いを背負い、強大な権力を誇る五輪主催者に対峙(たいじ)した開催都市の長としての精いっぱいの抵抗だった。

 突然の開催地変更発表から2週間余でのスピード決着。IOCのコーツ調整委員長の「アスリートの健康のため」という主張には、一定の説得力がある。それでも、巨額の経費を負担する開催都市を軽んじ、強引に変更案を推し進めたIOCの手法が、日本側の関係者の心に大きなしこりを残したことは間違いない。

 10月31日の4者実務者協議。関係者によると、都側が会場変更におけるIOCの権限についてIOC側に疑問をぶつけたところ「なぜならこれがIOCだからだ」で終わったという。

 小池氏が1日、明らかにした東京のコースで大会後に「オリンピックセレブレーションマラソン」を開催するとのIOCバッハ会長の提案についても「都民感情に配慮したつもりだろうが、そういうことではない」と話す関係者もいる。

 コーツ氏は4者協議後の会見で「都民の気持ちはわかる。理解してほしい」と繰り返すだけで、最後まで都民や混乱に対する謝罪の言葉はなかった。さらには五輪憲章や開催都市契約の存在を口にし「次回大会でも同じことになる。IOCには必要な意思決定の権限がある」と言い放った。

 五輪は近年、多額の経費負担を嫌い立候補を取りやめる都市が相次ぐ。これに危機感を抱くIOCは、開催都市以外での競技実施を認めるなど、さまざまな改革を断行している。

 ただ、肝心の開催都市との信頼関係構築がままならなくては、改革の実効性にも疑問符がつく。「五輪の総本山」は、そのことに気づいているのだろうか。(森本利優)

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