PR

東京五輪 東京五輪

【思ふことあり】スポーツジャーナリスト・増田明美 選手の戸惑いにも配慮を

MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は39キロ過ぎで、優勝した中村匠吾(右端)が集団から抜け出した=9月15日、東京都新宿区(代表撮影)
MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は39キロ過ぎで、優勝した中村匠吾(右端)が集団から抜け出した=9月15日、東京都新宿区(代表撮影)
その他の写真を見る(1/2枚)

 突如、天からお達しが降ってきて、そりゃー、上を下への大騒ぎ。東京オリンピックのマラソンと競歩を札幌で開催することを国際オリンピック委員会(IOC)が提案した。事実上の変更命令と思われる。選手たちの健康を考えれば、賢明な判断だと思う。

 今年9月から10月に中東のカタールの首都ドーハで開催された世界陸上選手権はすさまじい暑さだった。陸上競技場は空調が強力で、涼しい中で競技が行われたが、マラソンと競歩は海岸沿いを行ったり来たりするコース。暑さを避けるため、深夜の開催だったが、女子マラソンのスタート時の気温は32・7度で湿度は73・3%。68人の出場選手中、4割を超える28人が途中棄権した。

 50キロ競歩の日に応援に行ったが、気温31度、湿度74%と女子マラソンとほぼ同じ状況。着ていたシャツはあっという間に汗でぬれ、まるでミストサウナの中にいるような感覚だった。競歩は約3割が途中棄権。

 IOCはこれに危機感を覚えたのだと思う。タイミング的には、そんな中で競技を視察したIOCの関係者が今回の提案をしたのだろう。ただ、9月のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は視察してくれたのだろうか。完走率は男女ともに9割。私の感覚では8月の東京の朝はドーハに比べれば、全然たいしたことないと思う。

□  □

 今回の変更に選手たちからは歓迎とはいえない声も上がっている。なぜなら、これまで暑い東京に照準を合わせて「暑さ対策」の努力を積んできたからだ。「いまさら何で?」という不満である。2013年に東京開催が決まった時点で選手たちは動き始めているのだ。

 とくにマラソンや競歩は年に何回も出場できるものではないので、数年前から計画的に暑い中のレースを走ったり、夏の練習で暑さに慣れたりしてきた。MGCも2年がかりで出場選手を選び、暑い中で決定戦を行った。そのことからも分かるように、すべては東京で戦うため。それが突然、場所が変更になれば、戸惑うのも当然である。

続きを読む

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

東京五輪2020まであと

ランキング

ブランドコンテンツ