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暑さ、交通輸送、チケット販売が3大課題 東京五輪まで1年

炎天下の中、足下には逃げ水現象も見られた皇居周辺=2018年8月5日、東京都千代田区(桐原正道撮影)
炎天下の中、足下には逃げ水現象も見られた皇居周辺=2018年8月5日、東京都千代田区(桐原正道撮影)
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 東京五輪の開幕まで、24日であと1年に迫った。東京都や大会組織委員会などは暑さ、交通輸送、チケット戦略という“3大課題”の解決に神経をとがらせている。期間中に35度以上の猛暑となることが予想される中で、熱中症の犠牲者をいかに防ぐか。大都市ゆえの悩みである都心の混雑ぶりには、官民そろっての交通輸送対策を展開する。全試合のフルスタジアム(満員)を目指す観戦チケットにはさまざまな販売戦略が計画されている。

 21日に行われた自転車ロードレースのテスト大会。スタート地点の武蔵野の森公園(東京都調布市など)の正午の気温は約27度。この時期にしてはやや涼しく感じられる天候だったが、欧州各国から来た選手やコーチ陣は口々に「本番はこれよりも暑いのか。一番の問題だ」と不安を吐露した。

 東京大会には日本の夏に不慣れな外国人が多数訪れる。「暑さに慣れていない中で、急に暑くなり高温が続くと特に危険」。熱中症による死亡と気温との関係を調べた首都大学東京の藤部文昭特任教授(気候学)はこう指摘する。今年のように東京が梅雨明けしないまま開幕日を迎えれば、期間中に猛暑が突然やってくる恐れがある。暑さに体が慣れる「暑熱順化」ができぬままだと、熱中症リスクはより高まることになる。

 組織委などは(1)外国人(2)高齢者や子供(3)障害者-を対策が最も必要な層と認定。外国語を含むあらゆる伝達手段を用いて、暑さ指数(WBGT)などの必要な情報を提示する。沿道でもボランティアらが積極的な声かけを行う。会場ではさらに光や熱を遮るテントや大型ミストタワーを設置し、冷却保冷剤を配る。万が一、発症者が出ても迅速な搬送を行い、命を救う体制を整える。

 「一人でも犠牲者が出れば、東京のイメージが悪化する」(九州大大学院、永田高志助教)との指摘もあり、今後、暑さ対策をさらに向上させていく。

 道路、鉄道ネットワークの渋滞混雑は大会の円滑運営にとって大きな障害となる。東京海上日動リスクコンサルティングの川口貴久・上級主任研究員は「東京大会の本丸リスクの1つ」と捉えるが、「リスクマネジメントの観点から考えると、起きる場所や時間帯はすでにわかっているので、対策を取りやすいリスクでもある」と語る。

 組織委などは期間中、首都高速道路の交通量を最大30%減らし、通常の休日並みにする目標を掲げている。実現に向けて、企業や自治体に職員らが在宅勤務を行う「テレワーク」や時差出勤を呼びかけており、働き方改革も相まって協力する企業が増えている。

 トヨタ自動車は、都内で勤務する社員ら約1600人を原則在宅勤務とする。リコーも東京都内の本社を閉鎖し、社員2千人が遠隔で仕事をする。さらに、物流企業も、他社と一緒に共同物流に取り組んだり、混雑するルートを避け、夜間などの運搬を促進することで、物流コストを下げる取組みを計画している。

 都幹部は「企業経営の効率化がいっそう進めば、何よりも東京の未来にとって大きい」と話す。

 5月に実施された東京五輪チケットの抽選販売は、大会に対する関心の高さを強く裏付けた。販売サイトにはアクセスが殺到。約322万枚分が購入された一方、落選者も続出した。組織委は急遽(きゅうきょ)、落選者を対象に「セカンドチャンス」として8月に特別抽選を行うことを決定。混乱を避けるため、秋に予定していた先着順販売も「第2次抽選販売」に切り替える。

 来春には窓口販売や公式リセール(再販売)サービスが始まる予定だが、“プラチナチケット”をめぐっては引き続き争奪戦が予想される。担当者は「いろんな不確実性がある中、柔軟な対応をしていかないといけない」としており、今後も新たな購入機会が用意される可能性はある。(佐々木正明 森本利優)

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