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冬季パラ王者・成田緑夢 けがをバネに飛翔 「多くの人に勇気を」

2020東京パラリンピック出場を目指し、練習に励む成田=2018年12月、東京都江東区(寺河内美奈撮影)
2020東京パラリンピック出場を目指し、練習に励む成田=2018年12月、東京都江東区(寺河内美奈撮影)
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 ふわりと宙に浮いた体がバーの上でしなやかなアーチを描く。抜群の身体能力に成田緑夢(ぐりむ、24)は「誰よりもスポーツの感覚を持っていると思うので」と少年のように笑った。昨年3月の平昌パラリンピック・スノーボードの金メダリスト。現在は、2020年東京パラリンピック・走り高跳び出場を目指し、挑戦の日々を送っている。

 スノボの世界からは、きっぱり引退した。この競技で「金メダル(獲得)以上の素晴らしいことは存在しない」。だから、次への一歩を踏み出した。

 同じスノボで、トリノ五輪元代表の兄、姉を持つ3きょうだいの末っ子。もともと父・隆史さんの指導を受け、五輪出場を目指していた。だが、19歳だった13年4月に悲劇が起こる。

 両足首に2・5キロの重りをつけたトランポリンの練習で着地に失敗。左膝下から足首まで動かない「腓骨神経左膝下まひ」の障害を負った。

 医師の言葉は「歩ける確率は20パーセント」。強烈な痛みを伴うリハビリと、先の見えない未来に苦しんだ。

 それでも、懸命に前を向いた。半年後、ボート後部のロープをつかんで水面を滑るウエークボードに乗った。健常者も出る大会で優勝すると、障害者からメッセージが届いた。「緑夢君に勇気をもらった」

 “地獄”に突き落とされ、一度は離れようとしたスポーツ。だがスポーツを続けることで、別の価値観も見いだした。「もっと大きな舞台で成功すれば、もっと多くの人に勇気を与えられる」。夢が膨らんだ。

 身長173センチ、体重63キロ。走り高跳びの自己ベストは1メートル80ながら、今年の目標は「2メートルを跳びたい」。16年リオデジャネイロ大会の銅メダリストに1センチ差まで迫る大記録を掲げる。

 そんな挑戦を支えるモットーが「目の前の一歩に全力で」。重傷を負い、失意の日々を送りながらも、目の前の一歩に全力を注ぎ、ついには冬季パラの王者にのし上がった。最終目標は夏冬両方のパラリンピックと五輪の舞台に立つこと。「達成するのは70歳でもいい。馬術とかでね」。不可能を可能にする。これを身をもって示してきたのが、成田緑夢だ。(西沢綾里)

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