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【写 2020パラスポーツ】テコンドー・伊藤力 「猪突猛進」で頂点めざす

撮影中、雪が激しくなっても「この写真、絶対使ってくださいよ」と笑顔を絶やさなかった=北海道千歳市
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 2016年4月、フィリピンで開かれたテコンドーのアジア選手権に出場した。1回戦の相手は世界ランキング1位。初の国際大会で「勝てるわけがない」と思った。なすすべなく敗退したが手応えもあった。「(東京パラリンピックまでの)4年間、練習を積めば埋まらない差ではない」。2020年へ向けてスイッチが入った。

 幼い頃から集中すると周りが見えなくなる。小学1年の時には雑巾がけに夢中になり壁に激突。額を縫った。体を動かすことが好きでサッカー、剣道、テニスと、さまざまなスポーツに親しみ、社会人になってもフットサルを続けた。

 専門学校卒業後、ハウスメーカーを経て14年4月、北海道千歳市のプラスチック容器製造会社に入社。15年4月、工場で夜勤作業中、型枠の中にゴミを見つけた。夜11時頃で繁忙期の疲れもたまっていた。機械を止めたつもりで、プレス機の下に右手を差し入れた。「抜けるはずの手が、うまく抜けなかった」。右腕が機械に挟まれていた。救急搬送先の病院で手術を受け利き腕を失った。

 麻酔から目覚めたのは事故翌日の午前10時頃。失った右腕のことより、1カ月前に結婚したばかりの妻、久美子さんが気になった。おなかに赤ちゃんもいる。「本当に申し訳ない…」。顔を横に向けると、意識が戻ったことに安堵(あんど)する妻の顔があった。少しだけ救われた気がした。それでも、落ち込んだのは3日間だけだった。「腕がなくても生きていける」と前を向き、リハビリも積極的にこなした。

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