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【ポトマック通信】ある柔道コーチの死

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 私が長年、通う「ジョージタウン大学ワシントン柔道クラブ」のコーチの一人、マーク・スミス氏が先日、亡くなった。まだ61歳、講道館四段、試合歴も豊富だったが、近年は視覚障害者の柔道指導を熱心に続けていた。

 彼はつい数週間前まで毎回の練習にワシントン首都圏の目の不自由な選手たち数人を引率し、道場でも稽古の先頭に立っていたから訃報は驚きだった。肺疾患だったという。

 スミス氏はIT企業の経営のかたわら全米視覚障害者柔道連盟の役員をも務め、2020年の東京パラリンピックに向けての米国選手養成にも熱心だった。昨年11月の東京での全日本大会にも米国選手団を率いて参加した。

 彼が特に精力を注いだのは北京のパラリンピック女子柔道で銀メダルを取ったロリー・ピアース選手の再訓練だった。ワシントン柔道クラブでは時折訪れる田知本愛、熊代佑輔といった日本の一級選手たちにピアースさんの指導をゆだね、「日本の柔道を学ぶのがベストだ」とももらしていた。

 私が道場で接したスミス氏はすでに自分の病気を知っていたはずだったが、その気配をツユほども見せず、明るく、きりりとした態度で指導に当たっていた。東京での大会が見られず、さぞ残念なことだろう。(古森義久)

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