サマータイム、環境対策、治安に有効 プログラム変更が課題

 

 安倍晋三首相が自民党に導入の検討を指示したサマータイムはこれまで、コンピューターのプログラムや交通機関のダイヤの変更が必要になるとか、生活リズムが崩れ、健康に悪影響を与えるといった問題点が指摘されてきた。しかし、暑さ対策のほか、電力消費の抑制による省エネルギーや地球温暖化防止に効果があり、治安面でも期待されている。

 サマータイムは夏の間、日中の明るい時間を有効活用するもので、一斉に時間を1~2時間繰り上げる。

 メリットとされるのが電力消費の抑制だ。夕方の明るい時間が長くなるため、照明機器の使用を減らせる上、早朝の涼しい時間に活動すれば冷房も利用せずに済む。環境省の平成11年の試算では、導入により原油換算で年間約50万キロリットルの温室効果ガス削減効果があるとした。

 もっとも、最近は家電などの省エネ化が進み、今夏のように猛暑で早朝から気温が高いと試算よりも効果が限られる可能性もある。

 明るい夕方の時間帯を活用することで、子育てや地域のボランティアに取り組んだり、レジャーをしたりする効果も指摘される。通学・通勤時間が明るい時間帯になれば、交通事故や子供が狙われる犯罪が減るとの見方もある。

 これまでは問題点が多く強調され、政府も企業も積極的ではなかった。

 時計をはじめ、金融機関などのプログラムや産業機械などの時刻を変更する手間や時間がかかり、時刻の設定変更が必要な信号機などもあるという。

 鉄道など公共交通機関のダイヤは、期間中は変更する必要がある。航空機は羽田空港などの場合、5分あたりの発着枠が決まっており、「簡単にダイヤを変更できない上、航空会社は機材繰りなども必要になる」(国土交通省)。

 早起きによる睡眠不足が健康リスクを高めるとの指摘もある。ロシアでは、時刻変更期に心筋梗塞による死者が増加したという。同国内では省エネ効果が少ないなどという理由も出て、サマータイムを2011年に廃止した。