【東京五輪】スポーツクライミング・野口啓代 ベテラン進化、不安なし 誰もが手本とする登り方 - 産経ニュース

【東京五輪】スポーツクライミング・野口啓代 ベテラン進化、不安なし 誰もが手本とする登り方

絶妙なバランスで登る野口(早坂洋祐撮影)
東京五輪で実施される追加種目
 2020年東京五輪には、追加種目として5競技18種目が導入される。若者の間で世界的にも人気が高いサーフィン、スケートボード、スポーツクライミングには有力選手も多く、活躍が期待されている。
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 2年後の大舞台でも頂点へ
 次々と有望な若手が現れるスポーツクライミング界にあって、29歳の野口啓代(あきよ)は常に第一人者として歩みを進めてきた。得意とするボルダリングでは、ワールドカップ(W杯)の年間総合優勝を4度達成。ベテランの域に入っても、いまなお進化を遂げている。
 小学5年の時に旅行で訪れたグアム島でボルダリングを体験し、「すぐにはまった」。1年後に全日本ユースを制し、ジャパンカップで9連覇を含む11度の優勝を誇る。
 W杯では大学1年時に日本人として初めて優勝した。当時は競技の知名度も低かったが、「やりたいことをやろう」とプロに転向。大学を中退し、世界屈指のクライマーに成長した。
 2015年に4度目のW杯女王に。だがその後は故障も重なって成績を出せなくなり、引退もよぎった。東京五輪の追加種目として採用が決まったのはちょうどそのころ。「もう一度やりたいという気持ちが湧いてきた」
 五輪ではルールや筋肉の使い方、求められる素質も全く異なる3種目の複合で順位が決まる。スピードには課題もあるが「前よりも今のほうができる幅も広がった。確実に強くなっている」と表情は明るい。マンネリを感じる暇もないほど、練習に没頭している。
 今年新設された6月の複合ジャパンカップでは初代女王に輝いた。今後も若手との代表争いが待ち受けるが、「今までの感覚や成功体験、失敗経験など、私には成長の糧がたくさんあるから大丈夫」と不安はない。時に力強く、時にしなやかに。誰もが手本とする美しい登り方で、2年後の大舞台でも頂点へ登り詰める。(川峯千尋)
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 【用語解説】スポーツクライミング
 壁を登る速さを競うスピード、複数の課題(コース)で完登した数を争うボルダリング、制限時間内に到達した高さを競うリードがあり、東京五輪は3種目の複合で行われる。各種目の順位を掛け合わせたポイントの少ない選手が上位になる。