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【勇者の物語~「虎番疾風録」番外編~田所龍一】(222)会議は踊る 協約破り「賛否ではなく、了承を」

12月22日に行われた12球団実行委員会
12月22日に行われた12球団実行委員会

 後日、「実行委員会」でのやりとりが明らかになった。一部をご紹介しよう。

金子「昨日、裁定を出しましたが、出しただけで実質的に終止符を打ったことにはならない。この際、実質的に終止符を打ちたい」

 各球団の代表者たちが首をひねる。

金子「もし江川君がもう1年〝浪人〟生活を送れば、彼の優れた素質が失われる恐れもある。プロとしてこれを生かすのが筋だと思う。そこで裁定に引き続き、私の構想を導入してこの問題に実質的なピリオドを打ちたい」

 実質的な終止符?

金子「いろいろ考えたが、トレード以外に解決の方法はない。開幕以降(4月7日)なら新人選手のトレードは可能だが、みなさんの承諾を願えれば〝特例〟としてキャンプインまでに行いたい」

 要は協約を破ってキャンプイン(2月1日)までに巨人に入団させろ-という命令。「却下」の裁定から180度変わった提案に代表者たちも声が出ない。しばし沈黙のあと日本ハム・三原球団社長が発言した。

三原「昨日、せっかく立派な裁定を下されたのですから、トレードの時期も協約通り、4月7日以降にしたらいかがですか。協約を破ればこの場の決着はついても、このあとは世間の非難を受けるのではないですか」

金子「泥はオレ一人かぶるからいい」

三原「いや、泥をかぶるのは球界全体です」

金子「すべてオレの責任だ!」

 立ち上がりドーンと机を叩く金子コミッショナー。南海・森本代表が聞いた。

森本「きのうの裁定の続きといわれたが、その趣旨ですか?」

金子「そう思っていただいて結構だ」。さらに三原が食い下がる。

三原「やはり協約通りにされたらいかがですか」

金子「あなた一人だけダメとは何ですか! それでは“裁定”にします」

 近鉄の山崎代表が発言する。

山崎「裁定というのなら話は別だが、賛成か反対か-と問われれば個人として反対する」

金子「賛否ではなく、ご了承願いたいということだ」

 こうして会議は終わった。 (敬称略)

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