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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】内容を評価して育てる

適時打を放つ阪神・佐藤輝明。首脳陣は内容を評価できるか=甲子園球場(撮影・水島啓輔)
適時打を放つ阪神・佐藤輝明。首脳陣は内容を評価できるか=甲子園球場(撮影・水島啓輔)

 阪神のドラフト1位ルーキー、佐藤輝明内野手が在阪スポーツ紙の紙面を席巻している。キャンプから高いレベルの打撃を披露。オープン戦でも、初打席で本塁打を放った。「当てただけ」のバッティングはしない。巨人や米大リーグのヤンキースで活躍した同じ左打者、松井秀喜の新人時代を思い出す。松井は高卒でプロ入りした。佐藤輝は大卒ということもあり、完成度が一つ上の印象だ。年間を通してプレーできれば、1年目から打率2割8分、20本塁打、80打点ぐらいは打てるのではないか。

 左足に重心を残したまま、力強くバットを振るフォームも、他の選手にはない魅力だろう。メジャーの強打者に多いスタイルだが、日本で教える人はいない。海外の映像も見て、自身が本物と感じた打法を取り入れるのは、良いことだ。「これが常識だ」とされる理論も、決して絶対ではない。間違いも数多くある。日本ではあまり見られないからといって、漫然と矯正すべきではない。

 逸材を受け入れた阪神は、コーチの器量が問われる。結果ではなく、内容を評価して育てられるか。初球から当てにいっての安打を「ナイスバッティング」とほめるのは、間違っている。たとえ凡退でも、しっかりと振ったときに「今のスイングは良かった」と声をかけないといけない。

 4年連続日本一のソフトバンクでは、生きのいい若手が次から次へと現れ、戦力になっている。なぜか。工藤公康監督が、新人に技術面の改善点を指摘し、むやみに手を入れることを禁じているからだ。そうではなく、自分で壁を感じ、助言を求めてきたときに手助けする。押し付ける指導では、選手の気持ちに「逃げ道」ができる。自信のないコーチほど、認めてもらおうと選手をつかまえ、あれこれ教えたがるもの。しかし、「教え魔」はかえってチーム強化の妨げになる。

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