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【鬼筆のスポ魂】オーナーたち、制限緩和の直接交渉乗り出せ 植村徹也 

 実は前々から12球団首脳が斉藤コミッショナーに“疑問”を抱く言動が確認されていた。パ・リーグの複数球団首脳によると、昨年7月6日にオンラインで行われた12球団代表者会議で、コミッショナーはこう語りかけた。

 「私の知人である村上世彰氏から12球団のPCR検査の費用をすべて持ってもいいという申し出がありました。もし、お願いしたい球団があるのならば申し出てください」

 その瞬間、オンラインでつながる12球団首脳の空気は凍りついた。村上氏といえば、企業の買収・合併に関わるコンサルティングを行っていた「村上ファンド」の元代表。2005年には阪神電気鉄道の株を買い進め、同年9月には電鉄株26・67%と阪神百貨店株18・19%を保有し、同社の筆頭株主になった。その後の06年6月に証券取引法違反容疑で逮捕され、阪神関連株は阪急ホールディングス(HD)が引き受けた。現在の阪急阪神HDとなった経緯である。

 つまり、球界を震撼(しんかん)させ、阪神にとっては憎き存在である村上氏の名前を12球団代表者会議でわざわざ出した。球界がその名前に強烈なアレルギーがあることを知らなかったのかもしれない。村上氏にPCR検査費用を肩代わりしてもらう球団などあるはずがないことは、球界内の人間なら誰でも分かることなのに…。

 この一件から球界内には「斉藤コミッショナーは本当に大丈夫か」という疑問の声がくすぶっていた。政府との折衝に全く成果の見られない現状は、そうした過去の発言を蒸し返す原因にもなっている。

 それでも3月26日という日は待ってくれない。打開策は実質的に球団を経営しているオーナーたちが政府との直接交渉に乗り出すしかないのではないか。本当に危機感を持つ人々の言葉の方が相手の胸に響くはずだが、どうだろう。(特別記者)

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