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全柔連パワハラ疑惑、8年前の教訓生きず 山下会長の責任に発展も

山下泰裕・全柔連会長(古厩正樹撮影)
山下泰裕・全柔連会長(古厩正樹撮影)

 全日本柔道連盟(全柔連)事務局内で指摘された幹部職員によるパワーハラスメント疑惑。すでに幹部が自己都合で退職し、職員からは「隠蔽(いんぺい)」を疑う声も上がる。全柔連は2013年に相次ぐ不祥事で執行部が総退陣し、組織運営の透明化を図ってきた。8年前の教訓が生かされたとは言い難く、山下泰裕会長の責任も問われそうだ。(田中充、森田景史)

■「上に物が言いにくい雰囲気」

 昨年春に事務局で発生した新型コロナウルイス感染者の拡大原因を調べる過程で、調査にあたった弁護士らに対し、複数の職員が幹部による威圧的な言動があったと証言。事務局内で在宅勤務やリモート会議などの措置が十分に取られなかったとした上で、「上に物が言いにくい雰囲気があり、感染予防の徹底を妨げていた」と背景にパワハラの存在があると指摘した。

 関係者によると、調査を引き継いだコンプライアンス委は昨秋に報告書を山下会長に提出し、処遇を一任したという。しかし、パワハラの有無などは職員に説明されず、今年1月になって幹部の「自己都合」による退職が公表されるという不透明な経緯をたどった。

 この幹部は18年9月に外部から招聘(しょうへい)。柔道経験はないが、民間企業での勤務経験などから組織運営の手腕を期待されていた。

■3足のわらじ

 全柔連は13年に女子指導陣による暴力的指導や助成金の不適切受給が発覚し、当時の会長らが総退陣。執行部への過度な権限の集中がガバナンス(組織統治)の不全をもたらした反省から、同年8月に発足した新体制では山下氏が副会長に就く一方で、警察庁出身の前専務理事がガバナンスやコンプライアンス(法令順守)の制度設計を進め、外部の手を借りて組織を立て直してきた。

 山下氏は副会長時代に「民間企業なら不祥事は命取り。スポーツ界が社会の信任を得て、公的な役割を果たすには(組織運営の)プロが必要」と語っていた。

 母校・東海大の副学長も兼務する山下氏はその後、17年に全柔連会長、19年には日本オリンピック委員会(JOC)の会長にも就任。「自分には3つも見られない」と周囲に語るなど、軸足はJOCに置かれるようになり、全柔連への目配りはおろそかになっていったと指摘する声もある。

 今回の問題が、山下氏のいう「プロ」にフリーハンドの組織運営を任せた結果だとすれば、山下氏の監督責任に発展する可能性も小さくない。

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