【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】「禰豆子」はこんなところにも
コミックと映画の両方で『鬼滅の刃』が大ヒットしたことにより、ヒロインである「禰豆子」(ねずこ)の名も広く知られることになった。
そこで-。
「禰豆子を捜せ!」というのが、メディアで合言葉になっている。
理想的なのは、有名人が家系図を広げて先祖をたどっていったら、「江戸時代の先祖に、字も同じで禰豆子という女性がおりまして」という展開だと思われるが、メディアが日本中の捜査網を使っても手がかりなし。
「字は違ってもいい。片仮名のネズコでも、平仮名のねずこでも」
「人間で無理だったら、地名にないのか。ネス湖があるんだから、世界のどこかに、ネズ湖もあるんじゃないか」
デスクからそういう指令が飛んでいましてという話を聞いたが、これも該当するものがないらしい。
聞いたなかで、ホントかよと思ったのは、栃木県の中禅寺湖の南西岸にある黒檜山(くろびさん/標高1976メートル)の、その黒檜という名。
広辞苑をひくと、黒檜とはクロベの別称で、「ヒノキ科の常緑針葉樹」。建具や器具に使われ、昔は樹皮を火縄に用いた。「ねずこ」とも呼ばれたとあるのだ。
栃木県では、「ねずこ」つながりで、この黒檜山も聖地の一つに数えてくれないかなあと、「鬼滅の刃」のファンに期待する声が上がっているという。
また、群馬県の赤城山系の最高峰である黒檜山(標高1828メートル)も、あやかって聖地入りをめざしているというから、今後、「うちの県にも黒檜山があります」と、日本中から名乗りが上がるかもしれない。
馬では、現3歳に「ネズコ」という黒鹿毛の牝馬がいる。父エスケンデレヤ、母グラニースミス、母の父ディープインパクトという血統で、美浦の戸田博文厩舎(きゅうしゃ)所属。1月31日の新馬戦でデビューし、果敢に16頭立ての2番手に付けていって8着。いずれチャンスがありそうな感じがする。
(競馬コラムニスト)