PR

スポーツ スポーツ

【読むスポーツ】フィギュアのショープロデューサーの新刊「志 アイスショーに賭ける夢」

 新型コロナウイルスが世界的に感染拡大する以前まで、海外で行われるフィギュアスケートの国際大会に取材に行くと、「ファンタジー・オン・アイス」のプロデューサーでもあるCIC社長の真壁喜久夫氏がいつもいた。現役やプロに転向したスケーターとの「顔つなぎ」や水面下での「出演交渉」に訪れていたのだ。

 真壁氏はある年のロシア杯では、「皇帝」と呼ばれた2006年トリノ五輪男子金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ氏に邸宅に招かれて、食卓を囲んでいた。世界中に張り巡らせた著名スケーターたちとのネットワークを駆使し、羽生結弦(ANA)らが出演するショー「ファンタジー・オン・アイス」を手掛けている。

 そんな真壁氏がショービジネスの舞台裏を明かした一冊が2月1日発売の「志 アイスショーに賭ける夢」(新書館・1800円+税)だ。

 真壁氏が生み出すショーでは、出演するスケーターに、コンディションが許せば3本のジャンプを組み入れることを求める。「エンターテイメントでもあり、スポーツでもある」と語るフィギュアスケートの中でも、とりわけショーは前者の比重が高くなる。それでも、「ジャンプがあることでプログラムも映える。お客さんもジャンプを楽しみにしている。そこは譲れない」とこだわりが強い。

 昨年9月には、KOSE新横浜スケートセンターで、日本のトップスケーターが滑る「ドリーム・オン・アイス」を無観客で開催した。著者いわく「覚悟していた通りの赤字興行」。それでも、シーズン開幕前に、「日本のスケーターに実戦で滑るプログラムを披露する場が必要」と、後援する日本スケート連盟の理解を得て開催にこぎつけた。

 ビジネスマンとしての採算を度外視した背景にあるのが、本書のタイトルにもある「志」なのだろう。華やかなスケーターにスポットライトが当たるショーに賭ける真壁氏の思いが伝わる一冊だ。(田中充)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ