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【リオの宿題・サクラセブンズ戦士のいま(5)】兼松由香(38)「五輪に出たからオリンピアンではない」歴史を紐解く研究者に 

指導者としても活躍する兼松(中央奥)。五輪の価値を後進に伝える(日本ラグビー協会提供)
指導者としても活躍する兼松(中央奥)。五輪の価値を後進に伝える(日本ラグビー協会提供)

 日本ラグビー協会の女子セブンズユースアカデミーのヘッドコーチであり、中京大大学院体育学研究科博士課程で学ぶ学生であり、名古屋レディースの選手。兼松由香の現在の主な肩書だ。

 “ママさんアスリート”として注目された2016年リオデジャネイロ五輪出場当時、34歳。7人制が五輪種目に決まる何年も前からプレーしてきた大ベテランは、泥臭いプレーをチームに植え付けようと、若手の踏み台になる覚悟で現役を続け、五輪代表の座をつかんだ。

 出番が回ってきたのは大会2日目の9~12位決定予備戦のケニア戦と、9、10位決定戦のブラジル戦。大会唯一の白星を飾ったケニア戦ではトライも挙げた。

 だが、最終成績は10位。1次リーグの3試合は完敗だった。「それまでに(世界の上位チームがサーキット形式で争う大会)ワールドシリーズ(WS)で一度もベスト4に入れなくて、五輪もWSと同じだった。セブンズは何が起こるか分からないというけど、実力差は埋められなかった」と総括する。

 「一番悲しかったのは、現地で負けた後の、若い選手たちの空っぽ状態、あれをみたとき。『あんなに頑張ってきたのになんでこんなにかわいそうなんだろう』と、私も同じ立場でありながら、すごく悲しくなりました」と明かす。

 世界中のアスリートの目標である五輪の舞台に立ちながら「向こうでの記憶があまりなくて、自分の中で封印しようとしているのか、よく分からないですけど…」というほど、つらい思い出となった。そして「私がこのチームにできることはもうないと思いました」。現地で行われた協会スタッフによるヒアリングの場で、代表から退く意向を伝えた。

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