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アベベ・メコネンさん、茨城で陸上部指導 往年の名ランナー 

友部中陸上部で指導するアベベ・メコネンさん=笠間市役所
友部中陸上部で指導するアベベ・メコネンさん=笠間市役所

 東京五輪で母国・エチオピアのホストタウンとなった茨城県笠間市へ昨年8月、スポーツ国際交流員(SEA)として赴任した。主に中学で陸上の中長距離を指導しているのが、アベベ・メコネンさん(55)だ。かつて、東京国際マラソン(現在の東京マラソンの前身)で3度の優勝を果たすなど世界的な長距離ランナーとして活躍。選手として何度も訪れた日本には好感を持っており、今回、エチオピア陸上競技連盟を通じてSEAとしての訪日を打診されると快諾した。(三浦馨)

■東京五輪延期「よかった」

 昨年10月から市立友部中陸上部の生徒たちを指導している。「みんな潜在能力が高く、性格も素直でいい」とやりがいを感じていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で状況は一変。市内の小中学校は今年3月以降休校となり、生徒を直接教えることはできなくなった。

 東京五輪の延期に「中止でなかったのは日本にとっても選手にとってもよかった。1年はあっという間だと思う」と語る。実はメコネンさん自身も、競技生活で大きな挫折を味わった。20代前半で、金メダル候補の呼び声が高かった昭和63(1988)年のソウル五輪に、エチオピアは政治的理由で不参加を決めた。

 「僕のコンディションはピークにあった。悲しいというより、怒りが込み上げた」

■あきらめず、力合わせて

 それでもメコネンさんは頭を切り替えて練習に打ち込み、ソウル五輪の直後に行われた同年10月の北京国際マラソンで、2時間07分35秒の自己ベスト記録を出し、優勝した。

 「いろんなスポーツ大会やイベントが新型コロナで中止になったがあきらめず、みんなで力を合わせてがんばっていこう」と日本の人々へエールを送る。

 休校中も自主練習する陸上部員のため、アップからメイン、クールダウンまで細かなトレーニングメニューを提供した。「やはり部員同士での練習は競い合うことでモチベーションも高まるし、楽しい」。ようやく再開した部活動の指導にあたっている。

■笠間に「里帰りしたい」

 日本とエチオピアには不思議な共通点があるという。「食事の前、日本人は『いただきます』というが、エチオピアも手を合わせ、神様にアムハラ語で『ありがとうございます』と感謝する。文化が似ており、日本人は兄弟や姉妹のように感じる」

 SEAの任期は今年8月まで。来年夏に予定される五輪を待たずに帰国するが、「エチオピアナショナルチームのコーチとして、東京五輪へ参加したい。そのときはもちろん笠間に里帰りしたい」と笑顔を見せる。

     ◇

 アベベ・メコネン 1964年生まれ。祖国エチオピアのはだしの英雄、アベベ・ビキラにあこがれて小学生からマラソンを始め、92年のバルセロナ、96年のアトランタ両五輪などへ出場。現役時代のライバルだった瀬古利彦さん、宗茂、猛さん兄弟とは今も友情が続く。すしが好物でお気に入りは鉄火巻き。

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