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【スポーツ茶論】復活するスポーツとコロナ禍の先 清水満

無観客で行われた総合格闘技「UFC249」=9日、米フロリダ州ジャクソンビル(AP)
無観客で行われた総合格闘技「UFC249」=9日、米フロリダ州ジャクソンビル(AP)

 米国の話である。総合格闘技の「UFC249」が9日、フロリダ州ジャクソンビルで、2大タイトル戦をメインに計11試合が無観客で行われた。

 この模様はスポーツ専門チャンネルのESPN+でライブ放映されたが、PPV(有料放送)売り上げがすごかった。ザ・サン紙は「70万件」と伝えた。興行収入は明らかにされていないが、大成功だったようだ。何より人々が“生スポーツ”を渇望していたことがうかがえた。

 日本でもWOWOWでライブ中継された。番組内ではトランプ大統領の「私たちにはやるべきことがあるが、スポーツが必要だ。スポーツに戻ってほしい」という録画メッセージも流されていた。

 米国は世界で一番多く新型コロナウイルスの感染者を出している。パンデミック最中での強行で、直前には参戦する選手が陽性になるなどトラブルもあったが、メディアの多くは問題を提起しながらも、「野球、バスケットボールなど無観客開催を考えている他のスポーツにとって、このスタイルは前例になるかもしれない」と好意的に報じていたという。

 米国では全てのプロスポーツが中止となり、経済も停滞していた。今月上旬、コロナ禍によるスポーツ界が被る損失が、最低でも120億ドル(約1兆2840億円)に上るとESPN(電子版)が報じていた。防疫は必要だが、生きるための経済活動も欠かせない。

 続々の復活…。3月中旬のザ・プレーヤーズ選手権以来凍結していた男子ゴルフは6月11日開幕のチャールズシュワブ・チャレンジから、大リーグは7月4日前後に、いずれも無観客で開幕する予定だ。コロナ禍の中、いつもの日常を求める人々の性が見えた。

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 すでに世界に先駆けて台湾、韓国ではプロ野球が開幕している。そして先週“新たな復活”が届いた。韓国女子ゴルフ「KLPGA選手権」(14日開幕、韓国)である。

 この無観客試合に、協会側は30ページにも及ぶ「コロナウイルス統合対応マニュアル」を作成し、消毒、密集回避などを徹底。選手、キャディー以外のコースへの立ち入り禁止という厳戒態勢だった。日本でも急遽(きゅうきょ)、スカイAでライブ配信され、日本でもおなじみのイ・ボミらの姿もあった。ハイタッチならぬ、肘タッチで接触を避けていた。新鮮である。

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 いま、日本はどうか。

 「何か寂しいよな」

 最近、周囲からこんな声をよく聞く。人々は、娯楽=スポーツに飢えているのだ。

 とかく他人の目を気にする国民性である。たとえ自粛が解除されても、いずれの競技団体も周囲をうかがいながら横並びを好む傾向があるが、確固たる防疫策を提示して周囲を納得させればいい。感染者数だって米国に比べて格段に少ないのだから…。

 開幕戦から女子ゴルフは18試合が行われず、男子も7月上旬まで8戦連続開催できていない。考えてみよ、ゴルフは“3密”でない屋外競技である。今後“韓国スタイル”は必ず参考になるはずである。

 プロ野球も感染状況を注視しながら、22日の代表者会議で6月下旬までの開幕を目指している。今後運営に向けたガイドラインの作成、移動リスクを低減させるための日程作りなど、クリアすべき問題は多いが、出口は必ずある。

 “コロナと共生”という覚悟。防疫とともに過ごす“いつもの日常”、そろそろそんな時があってもいい。

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