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嘉納治五郎研究の第一人者逝く 講道館・村田直樹氏

3月に逝去した講道館名誉館長・嘉納行光氏の写真を手に、思い出を語っていた講道館図書資料部長の村田直樹氏=3月24日、東京都文京区の講道館(石原颯撮影)
3月に逝去した講道館名誉館長・嘉納行光氏の写真を手に、思い出を語っていた講道館図書資料部長の村田直樹氏=3月24日、東京都文京区の講道館(石原颯撮影)

 柔道の開祖、嘉納治五郎の研究に心血を注いだ講道館図書資料部長で日本武道学会副会長の村田直樹(むらた・なおき)氏が、去る4月9日に亡くなった。70歳だった。嘉納の事績、武道としての柔道の価値を内外に発信し続けた嘉納研究の第一人者。嘉納の教えに傾倒するあまり、時に嘉納その人になりきって発言するユニークな面もある、代わりの利かない人でもあった。

 東京教育大学(現筑波大学)大学院を修了し、香川大学助教授などを経て、1995(平成7)年から柔道の総本山、講道館(東京都文京区)に勤務。2008年には、日本武道学会理事長に就任した。講道館柔道八段。主な著書に『嘉納治五郎師範に学ぶ』『柔道の国際化』などがある。

 講道館2階の仕事部屋には、嘉納が残した文書や柔道に関する文献など、あまたの資料が山積みされていた。嘉納の生涯や柔道の歴史に明るく、柔道を特集するテレビ番組には必ずといっていいほど、この人の名があった。

 「宜しかったらご笑覧ください」

 自身が出演した番組が放映される日の朝には、お知らせのメールを必ずいただいたのを思い出す。

 仕事場を訪ねると、多用の折でも追い返されたことがない。熱いお茶で相手をもてなし、柔道談義で一息入れるような人だった。一言一句にきりっとした角があり、「折り目正しい柔道家」という形容の似合う人でもある。

 柔道の源流をなすのは、古来の合戦場で武者が組み討ちに用いた柔術だ。戦場で相手の命を奪うための武術を「嘉納師範は道に高め、人間形成のための心得とした」と、熱した口調で語っていたのも印象深い。

 古式の「形」や海外の格闘技に通じ、英語も堪能。嘉納の著書を英訳して世界に広めたほか、「理にかなった技とは何か」を科学的に分析するなど活動の幅は広く、海外からの講演依頼も多かった。

 東京五輪が予定通り開かれていれば、講道館を見学に訪れる国際オリンピック委員会(IOC)の関係者を、村田氏が案内する予定だったという。

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