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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】もらい泣きは日本人の国民性か

2017年の中山金杯以来の重賞制覇となった吉田豊騎手(左)と重賞初勝利の高橋文雅調教師(右)(菅原和彦撮影)
2017年の中山金杯以来の重賞制覇となった吉田豊騎手(左)と重賞初勝利の高橋文雅調教師(右)(菅原和彦撮影)

 もらい泣きって、伝播(でんぱ)するんだなあ。

 1月26日(日)の夕刻、駅裏の寿司屋で大相撲・結びの一番を見ていたのだが、貴景勝を破って徳勝龍が優勝を決めると、店のおかみさんがハンカチを出して目もとをぬぐった。

 するとそれが、われわれ、客にも伝わって、みんな涙が止まらなくなってしまった。ひとりなら恥ずかしいが、みんなが泣いていると、まさに、直情がほとばしってしまうのである。幕尻でよく頑張ったなあ。33歳と力士としては若くないのに、へこたれずに精進してるとこんなにいいことがあるんだなあ。よかったなあ…で涙が出る。

 じつは、その前の週にも、1月19日(日)の京成杯を吉田豊騎手のクリスタルブラックが勝った際に、もらい泣きしていた。吉田豊騎手は骨折で1年もの休養を余儀なくされ、カムバック後、本当に久しぶりの重賞制覇だった。表彰式で泣いているファンが大勢いて、その姿を見ているうちに、もらい泣きしてしまった。

 欧米では、もらい泣きという言葉があるのだろうか。ふと、こんなことが気になって、手元の電子辞書で調べてみた(ジーニアス和英辞典)。

 すると、「もらい泣きした」の訳文として、こう出ていた。

 「I cried together with her in sympathy」

 直訳すると、「私は共感して彼女とともに泣いた」

 つまりは、ひとことで「もらい泣き」を意味する英単語はないらしいのである。

 ないということは、入り用が少なかったということで、逆に言うと、日本人はよくもらい泣きする国民だということなのだろう。

 よく言えば「共感力がある」。悪く言えば「いっときの感情に流されやすい」。そういう国民性であるというのは、以前からよく指摘されるところである。

 寿司屋の店主いわく。「泣ける人はうらやましいですよ。われわれは修行中から涙でまな板をよごすなと教わるから、涙出ないんです」。いやあ、それもまたたいへんだなあと、また泣いてしまった。老化か?(競馬コラムニスト)

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