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【舞の海の相撲俵論】裸の王様になる前に

立ち合いで遠藤(左)をかち上げる白鵬=福岡国際センター
立ち合いで遠藤(左)をかち上げる白鵬=福岡国際センター
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 「水に流す」という言葉が好きで、過去のさまざまな出来事を忘れようとしてきた。しかし、どうしても九州場所でのあの一番は頭から離れない。

 12日目の白鵬-遠藤戦。立ち合い、白鵬はサポーターをつけた右肘で遠藤の顔面を打ち抜いた。しかも、左手で相手の顔を押さえ、逃げられないようにしているところに悪意を感じる。その後も左右から荒々しく張って土俵に沈めた。遠藤の鼻からは血が滴り落ち、土俵は赤く染まっていた。

 過去の大横綱もかち上げをしていた-と指摘する人もいる。しかし、それとこれとは、まったく性質の異なるものだ。

 かち上げとは、立ち合いで自分の腕を振り上げ、相手の上体を起こす戦法だ。白鵬の場合は最初から顔の高さに腕を持っていき、相手を痛めつけるためにやっている。「肘打ち」と呼ぶ方がふさわしい。両者が竹刀一本で戦うだろうと誰もが注目していると、いきなり短刀を抜いて切りつけるようなものだ。

 あの肘打ちが目に当たると、失明するかもしれない。あごに当たって脳しんとうを起こして崩れ落ち、膝や足首を痛めて相撲生命を断たれてしまうかもしれない。白鵬の優勝の陰で、左目内部を骨折し、治療に苦しんだ力士もいた。

 横綱に挑む力士は敬意を払い、土俵に上がっている。白鵬に痛みを与えることなど頭の片隅にもない。あの肘打ちが許されるなら、横綱ばかりが使えて不公平になる。

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