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【大相撲企画・壁を破る】(中) 阿炎 年間最多勝も視野

稽古で汗を流す阿炎=福岡県大野城市の田子ノ浦部屋宿舎
稽古で汗を流す阿炎=福岡県大野城市の田子ノ浦部屋宿舎

 今年、ここまでの5場所で勝ち越している。幕内でただ一人の安定感を誇るのが小結の阿炎(あび)。すでに今年は45勝を挙げ、最多勝争いでも関脇御嶽海と並びトップに立つ。10日が初日で、今年最後の6場所目となる九州場所では「いつも優勝を狙っている。してみたい」と賜杯を見据える。

 変わったしこ名は、師匠の錣山(しころやま)親方(元関脇寺尾)のあだ名「アビ」が由来。新入幕だった昨年1月の初場所では、足を高く上げる美しい四股が話題になった。明るい性格による高い人気に、実力が追いついてきた。

 185センチ、152キロ。長い腕を生かした、小気味いい突きが武器だ。ここ1年は前進する圧力を備え、はたき技を効果的に繰り出す取り口が増えた。押し込めない展開から相手を引き、自身の方に呼び込んで不利を招くような、かつて目立ったシーンは減った。

 新小結だった今年7月の名古屋場所で8勝、翌秋場所でも9勝で勝ち越した。大関が陥落した影響などで関脇になれない中、「気にしていない。それよりも(勝ち越しが)自信になっている」という。三役には定着しつつある。次に見据えるのは大関への足がかりとなる2桁勝利になる。

 師匠が注ぐ視線は厳しい。「筋力がまだない。子供の体だ。相撲は四股、すり足、てっぽうなどの基礎が大事。全然足りない」。稽古場で若い衆に指導する場面が多い点には「声を出すのも大事だが自分の“汗”で伝えてほしい」とも。出世しても甘やかさないのは愛情の裏返しでもある。

 笑みを絶やさずファンサービスに熱心。よくしゃべり、軽口もたたく。将来を語る25歳は一転、真剣な表情を浮かべた。

 「大関になりたいと思ってきた。(最高位が関脇の)師匠を超えたい。それが『師匠孝行』だと思っている」。大きな夢へ向かって歩み続ける。(浜田慎太郎)

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