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【ラグビーを書く】172センチの果敢で獰猛な私的MVP 別府育郎

優勝カップを持つ、南アフリカのデクラーク(左)とコルビ=2日、横浜の日産スタジアム(ロイター)
優勝カップを持つ、南アフリカのデクラーク(左)とコルビ=2日、横浜の日産スタジアム(ロイター)
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 横浜の日産スタジアムで2日に行われたワールドカップの決勝は、最高の雰囲気の中でキックオフの時を迎えた。7万103人の観衆で埋まったスタンドの大声援、大合唱、黙祷(もくとう)の静寂。全てが素晴らしかった。その興奮を味わい、改めて来年の東京五輪マラソンのゴールにスタジアムを用意できないことを残念に思う。

 試合はスクラムの優劣が決した。開始早々にイングランドはスクラムの支柱、プロップのシンクラーが負傷退場し、南アフリカのFWは直後のスクラムで蹂躙(じゅうりん)し、破壊した。スクラムが崩壊したチームに勝ち目は薄い。最後までイングランドはスクラムを立て直すことができず、南アのフィジカルの前に屈した。

 表彰式でヘッドコーチのエディ・ジョーンズをはじめとする選手らが次々と首から銀メダルを外し、批判の的となったが、それだけこの完敗を受け入れ難かったのだろう。メダルは首から外しても、イングランドの選手らは遠巻きに整列し、表彰される南アの選手らに最後まで拍手を送っていた。

 日産スタジアムの記者席は非常に高い位置にあり、ピッチを一望に俯瞰(ふかん)できる。決勝戦は1人の選手の動きを追い続けた。

 フットボールの観戦にはさまざまな方策があるが、「上から見ていると、必ず、これは、と思わせてくれる選手がいる。ボールではなく、これと決めた選手を見続ける楽しみ方もある」と教えてくれたのは、サッカーファンで知られた今は亡き漫画家、望月三起也さんだった。

 今大会のオールブラックスなら、それはボーデン・バレットであり、日本代表なら堀江翔太だったろう。そして南アで注目したのは金髪で172センチのスクラムハーフ、デクラークだった。日本戦では前半23分、司令塔の田村優がパスを放った直後に激しいタックルをあびせて破壊した。対面の流大にもレイトタックルを繰り返して次の密集へ向かうことを遅らせ、日本の強みである速い展開を作らせなかった。憎き悪役、敵役でもあった。

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