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【日曜に書く】「生」につながる犠牲がある 論説委員・中本哲也

南アフリカ戦の後、スタンドに手を振る福岡堅樹=20日、味の素スタジアム(松永渉平撮影)
南アフリカ戦の後、スタンドに手を振る福岡堅樹=20日、味の素スタジアム(松永渉平撮影)

桜の戦士たち

 「本当にこのときのために、全ての時間を犠牲にして、この勝利のために頑張ってきた」

 ラグビーワールドカップ(W杯)1次リーグ最終戦で、日本代表はスコットランドを28-21で破り、8強入りを決めた。

 2トライを挙げた福岡堅樹は試合後のインタビューで息を弾ませた。

 大会を通して何人もの選手が「全てを犠牲にしてきた」と語った。南アフリカに敗れた準々決勝(10月20日)翌日の記者会見では、キャプテンのリーチ・マイケルが3度、「犠牲」という言葉を口にした。

 スタッフ、家族、チームを支えてくれた全ての人たちへの感謝と、この大会、一試合一試合にかけた選手たちの強い覚悟が「犠牲」の2文字に込められている。

 「ブレイブ・ブロッサムズ」(勇敢な桜の戦士たち)が語った「犠牲」は、「生」につながっている。

東日本大震災

 死者15897人、行方不明者2533人。

 本紙社会面に毎日掲載される東日本大震災の被害である。

 ほとんど変わることがなくなった数字を「忘れてはならない」と心に刻みながら、死者と行方不明者を合わせた18430人を東日本大震災の巨大地震と大津波による犠牲者数として何度も何度も書いてきた。

 行方不明者が生存している可能性はないと判断して、「犠牲」という熟語を「死」と同じ意味で使ってきた。

 桜の戦士たちの「犠牲」との生と死のギャップに、愕然(がくぜん)とする。

 死者・行方不明者と正確に記すべきなのかもしれない。

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