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【ラグビーを書く】狡猾さの欠如より日本の規律の高さを誇りたい 別府育郎

フィジー対ウルグアイ 後半、突進するウルグアイのニコラス・フレイタス=9月25日、釜石鵜住居復興スタジアム(撮影・蔵賢斗)
フィジー対ウルグアイ 後半、突進するウルグアイのニコラス・フレイタス=9月25日、釜石鵜住居復興スタジアム(撮影・蔵賢斗)
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 1カ月余の長きにわたって日本列島を興奮させてくれたラグビーのワールドカップも、3位決定戦と決勝戦を残すのみとなった。決勝のカードはエディ・ジョーンズが率いるイングランドと準々決勝で日本を下した南アフリカだ。日本がいかに前回大会で優秀なヘッドコーチを得て、今大会では本当に強いチームに敗れたことを思い知る。

 大会を通じて印象に残るのは、もちろん日本の1次リーグ4連勝なのだが、もう1試合、釜石鵜住居復興スタジアムのスタンドで見た、ウルグアイが30対27でフィジーを下した一戦を挙げておきたい。市民やボランティアの全力の笑顔によるおもてなしや、試合前の市内の小中学生2200人による大合唱の感動だけではない。試合そのものが素晴らしかった。

 フィジーは圧倒的な個の力による突進を繰り返し、ウルグアイが必死に防戦する。フィジーは一人一人が強く速くうまい。フィジアン・マジックと称されるオフロードパスの名手揃いでもあるが、1対1で必ず勝てるものだから近くにフリーの味方がいても、必ず最低1人は自分で抜きにかかる。ウルグアイはそこに2人目3人目がしつこく絡みつき、失策を誘って得た少ない好機を得点に結びつける、したたかなフィニッシャーがいる。例えばスアレスのような。

 そう、連想したのはサッカーである。選手のほぼ全員が欧州やニュージーランド、豪州などの一流クラブで活躍しているところもフィジーのラグビーは、ブラジルサッカーに酷似していた。ウルグアイは、サッカー大国ブラジルとアルゼンチンに挟まれた南米の小国である。そしてブラジルに勝つ方法を誰よりも知る。

 1950年のW杯ブラジル大会優勝を目の前にしたブラジルは、マラカナン競技場で行われた最終戦でウルグアイに1-2で敗れた。あまりの衝撃にスタンドではファン2人が自殺し、2人がショック死、20人以上が失神して病院に運ばれた。「マラカナンの悲劇」である。その伝統がラグビーにも受け継がれているように見えたのだ。

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